2019年 12月 8日 (日)

未来を語るには「今までにない言葉」が必要になる

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■『デジタルネイチャー』(落合陽一著、PLANETS)

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   昨年日本語版が出版された「ホモデウス」は、これから100年の人類社会の変化について語っている。本書は、そうした未来を「デジタルネイチャー」として解き明かす。「人間」、「社会」、「国家」といった現代社会の概念は社会契約論に由来するが、計算機時代の市場経済や人類種の機能の拡張を前提とした未来を語るには、今までにない言葉が必要になるという。また、コンピューターの統計的手法は、言語を超越する。そうした認識を考えるには、東洋文明のアプローチを活用する必要があると。

   著者の落合陽一氏はコンピューター科学者であると同時に、ビジネスにも携わる。今年出版された「日本進化論」では日本の社会問題を考える政策の道筋を示してくれている。

事事無礙法界(じじむげほうかい)

   四世紀に成立した「華厳経」は、世界の認識のあり方を四段階に分け、私たちが慣れ親しんでいるのは、眼に見える「事法界」と眼に見えない原理を加えた「理法界」。そして最終的な悟りの段階は、事象と事象との直接的な関係からなる「事事無礙法界」である。ひとつの事象にすべての事象が織り込まれ、我々に見えるのはその顕現のひとつに過ぎない、と考える。本書のキーワードのひとつは、End to End。この悟りの世界に近いものだ。いま私たちは、論理と言語を用いて自然界を記述しているが、これに加えて、コンピューターが、事象と事象の関係を統計的アプローチで解明してくれる時代に入るのである。

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