国民に審査される最高裁の裁判官 任命は国民が知らないところで
2021.10.26 16:30
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出身分野は決まっている
たしかに「内閣の任命」を巡っては、最近も一騒動あった。「週刊ダイヤモンド」2017年2月25日号「司法エリートの没落 弁護士 裁判官 検察官」が内幕を詳細にレポートしている。
それによると、最高裁判事15人の出身分野は決まっている。裁判官6、弁護士4、学識者5(大学教授1、検察官2、行政官1、外交官1)の枠が長年の慣例だ。70歳が定年となっており、定年者が出ると、元の出身分野から後任が決まるパターンだ。
例えば弁護士枠の裁判官が定年になると、従来は日本弁護士連合会(日弁連)が推薦した候補の中から後任に決まっていた。最高裁は日弁連の推薦を受け、「最適任候補者」を内閣に意見するからだ。最高裁判事の任命権はあくまで内閣総理大臣にあるが、これまで「弁護士枠」では日弁連の推薦した人物が任命され続けてきた。
ところが17年1月、定年になる弁護士出身者の後任に、日弁連推薦ではない人物が任命された。長く学者生活を送っていた人で、弁護士の資格を取得したのは前年8月。実務経験はほとんどなかった。従来の「弁護士枠」とはズレがあった。
同誌は「安倍政権が司法に介入」という切り口で、この問題を報じている。