2024年 4月 30日 (火)

「米国取材」国谷キャスター 「人種差別は克服されたのか」

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   国谷裕子キャスターのアメリカ・レポート。2回目のテーマは「人種問題」だ。

   キング牧師の「I have a dream」演説から約45年、初の黒人大統領の誕生は、アメリカ社会が「人種差別」という大きな壁を乗り越えた証ではある。しかし、これで本当に融和が進むのかどうか。 人種差別是正は、1964年の公民権法から始まった。これをもとに、黒人などマイノリティーを教育、雇用で優遇する「人種差別是正政策」がとられ、各州でさまざまな取り組みが行われてきた。

是正政策はまだ必要なのか

   しかし、差別は一向になくならず、黒人の平均所得はいぜん白人の6割である。国谷は、「黒人の大統領が誕生してもなお、差別是正政策は必要なのか」と聞く。

   NHKアメリカ総局の別府正一郎記者は、「まだ、必要。これで黒人は自信をつけるだろうが、逆に差別を口実にできなくなった。黒人が、これからは『Yes you can』になるといっていたのが印象的だった。オバマ大統領も『責任感』という言葉を使った」という。時間が必要だというのだ。

   別府記者のネブラスカ州のレポート。ここでは、昨2008年11月の大統領選と同時に行われた州民投票で、「差別是正廃止」が、58対42で通ってしまっていた。廃止運動の代表は、「黒人というだけで優遇されるのはおかしい。白人にも貧しい人は大勢いる」という。同州は人口の85%が白人だ。

   ネブラスカ大学の4年生の黒人女子学生は、「是正制度は、貧しいものが恵まれた人と対等に競争するために必要だ」という。彼女はテキサス出身。貧しくて進学はあきらめていたが、是正制度のお陰で奨学金を得ることができた。

   同州はまた、差別是正で公共工事の10%をマイノリティーに当ててきた。黒人建設業者は、「仕事の60%が自治体からの受注だが、差別は厳然としてあるし、投票結果の影響は大きい。早急に対策が必要だ」といった。

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