2024年 5月 1日 (水)

日本は不審死天国だった? 週刊朝日の問題提起

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   このところ「疑惑」も含めて次々に起こる凶悪事件は、なぜ解決しないのだろう。市橋達也容疑者は運良く逮捕されたが、これは、彼が整形をしたために、足取りをつかまれてしまったことと、2007年4月から始まった公的懸賞金制度上限一杯の1000万円が情報提供者に支払われるため、有力情報が集まったためで、警察の捜査力の結果ではなかった。

   千葉大女子大生の殺人放火や島根県で起きた女子大生バラバラ殺人などは、交際範囲が限られているため、犯人逮捕は早いかと思ったが、この原稿を書いている時点では、何ら進展はない。

死体画像診断とAiセンター

   特に、島根県立大1年生の平岡都さんのケースは、胴体に無数の刺し傷があり、バーナーらしきもので焼かれた痕、その上、乳房が切り取られていたことから、猟奇的な嗜好をもった人間の犯行ではないかという見方もあり、報道も過熱している。

   東京・豊島区と鳥取県に住む、詐欺で逮捕された34歳と35歳の女が、カネ欲しさに付き合っている男性に睡眠導入剤を飲ませ、自殺と見せかけて殺したのではないかという疑惑報道も、喧しい。だが、警察が「殺人」を立証するのはなかなか困難なようだ。なぜなら多くのケースで警察は、自殺、事故死と判断し、解剖などしていないからだ。

   こうした警察の死因究明力の乏しさを憂い、医療の助けを借りろと朝日で提言するのは、作家で医師でもある海堂尊氏だ。氏は、日本の死体の解剖率は2%台に低迷しているのだから、「一連の死因解明システムの下流にある司法解剖を拡充しても、問題は解決しない」という。

   ではどうするか。「Aiセンター」を設置して、死体画像診断をMRIでやれば、5割以上の死因確定率になるのだそうだ。優れた技術を持った医療従事者が画像診断に参画すれば、警察と別系統の死因究明制度が確立し、捜査の妥当性の監視も可能になる。さらにこれを常態化すれば、当時、事件性を疑われなかった被害者の全身CT画像が残されるという利点もある。

   たしかに、睡眠導入剤が使われたかもしれないケースは、Aiでは認知できないが、Aiを行っても死因不明だから解剖しようという流れにするべきだと海堂氏は主張する。来月から「Ai情報センター」が設立されるが、解剖に関連する学会上層部が「Aiは解剖の補助検査だ」と主張する危険があるそうだ。

「日本の解剖率が2%台と世界で最低レベルという事実を無視している。その硬直した思想が、死因不明社会の改善を停滞させ、結果的に連続不審死の蔓延に寄与しかねない」

   殺人事件の検挙率は95%台あるが、事件と認定されずに処理される死体が相当な数あることは容易に想像がつく。死因不明社会の流れをせき止めるためにも、傾聴に値する意見だ。

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