2024年 4月 26日 (金)

「現場のマスコミが逮捕せよ」に異論 「もちは餅屋」では?

来店不要なのでコロナ禍でも安心!顧客満足度1位のサービスとは?

   今週の週刊誌はおもしろい! 仕事を放りっぱなしで読みふけったが、なかでも文春とフラッシュが秀逸。

   「警視庁捜査一課長ニシさんとの『公舎不倫』6年」「沢尻エリカ鮮烈ボディを独占公開」「鳩山首相は日教組 自治労 パチンコ業界の『使用人』だ 元内閣参事官高橋洋一」「竹内久美子の新説『草食』『肉食』は薬指で決まる」の文春ラインナップはすごい!

フラッシュの「衝撃スクープ撮!」

   新潮の「『学習院』と『雅子さま』の冷たい戦争」「『小沢一郎への遺言』だった『越山会の女王』佐藤昭子さんの絶筆」なども読み応えがある。

   フライデーの「スザンヌ&ソフトバンク斉藤和巳『車中キス&お泊まり愛』」はファンならずとも一読の価値あり。

   だが、なんといっても今週最大の話題は、フラッシュの「衝撃スクープ撮! のりピー夫高相祐一シャブ購入現場!」だ。新潮と文春も後追い記事をやっているほど、この記事の衝撃は強力だった。

   写真が鮮明で、売人らしき男が覚せい剤を高相に見せて交渉している場面が、映画の一場面のようにハッキリ写っているのだ。ほんとうに隠し撮り写真なの? といいたくもなるほどのクオリティの高さである。

   編集部は、売人らしき男にインタビューもし、高相側にも取材を申し入れているが、否定されているのに、タイトルは「シャブ購入現場だ」と断定している。これは推測するに、売人ルートからの何らかのタレコミがあって、編集部は半信半疑ながら張り込んでいたら、この2人が現れ、ドキドキしながらシャッターを押したのだろう。

   私が現場いた頃も、ときどきこうした情報が電話や手紙などで入ってきたことがある。その情報が正しいのか、単なる悪戯なのかは、編集者の勘である。電話なら、相手の口調や内容で、だいたい見当がつく。それでも、実際に記事にできる確率は半分もいかないだろう。

   編集部には、よくやったという声とともに、なぜ、覚せい剤の取引だと知っていたのに、警察に通報するなり、現場で2人を捕まえなかったのかという「世の良識派」からの批判もあると聞いている。

   私からいわせれば、そのような感覚を持つ人は、決してこのような仕事を選ばないことだ。イエロージャーナリズムといわれようと、首輪のない猟犬たちは、ひとつのスクープや1枚の写真を取るのに命をかける。そうして取った情報を、相手にぶつけ、状況証拠や追加取材で検証し、世に問うのだ。捕まえるのは警察に任せておけばいい。

   芸能人の覚せい剤の再犯率は5割を超えるといわれる。覚せい剤という悪魔から手を切ることの難しさを、この写真は、われわれに強烈に訴えかけている。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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