「世界の下請け工場」はもう御免。トップブランドの開発急ぐ中国
2010.04.30 17:09
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内陸部にも広がる豊かさ
この自信の背景には、豊かさが中国沿岸部から内陸部へと徐々に広がり、巨大な消費市場として浮かび上がってきたことがある。この奥の深い消費市場のニーズを的確にとらえた同社の戦略が、功を奏しているのだ。
メーターズ成功の秘密の一つが、同社の心臓部に当たるデザイン部門である。世界の流行をいち早く取り込むため、外国ブランドのデザインを徹底的に研究。フランスから一流デザイナーもスカウトした。その一方で、広大な国土の多種多様な消費者ニーズに応えるため、全国各地から130人のデザイナーが集められた。現在、デザイナー全員が年4回、全国各地に出向きマーケティング調査を行っている。外国ブランドには真似のできない情報収集力で、年間5000点以上の新たなデザインを生み出しているという。
同社のもう一つの強みは工場を持っていないこと。外国企業の下請けで高い技術力を身に付けた縫製工場を見つけ出し、そこへ生産を委託しているのだ。
周会長は「中国市場は地方によって消費習慣の違いが多く、販売システムも地方によって差がある。我々の強みはそうした市場の全体像を把握できる力があること」と説明する。すでに3000店舗以上あるが、5年後には1万店舗に増やす計画だ。