2024年 5月 3日 (金)

これが読みたくて買う週刊誌「おすすめコラム名エッセイ」

来店不要なのでコロナ禍でも安心!顧客満足度1位のサービスとは?

巨泉、談志、田原、嵐山の「寸鉄」

   私が毎週楽しみに読んでいるものをあげてみよう。現代では、大橋巨泉の「今週の遺言」(これは私が編集長のときに始めた「内憂外歓」がいったん休載して、新たに始まった)。年の3分の2は海外で暮らす氏の、外から見た鋭い日本批判は傾聴に値する。今回は、イギリスもカナダも離婚率が下がっているのに、60歳以上の離婚は激増していることから筆を起こし、世界中をアッといわせたアル・ゴア元米国副大統領夫妻の離婚について、彼の浮気からではなく、なに不自由ない老後が離婚の原因だと見ている。世界初の環境億万長者になり、毎日忙しい日々を送るゴアと、平穏に暮らしたい夫人との「生きたい道が分かれてしまった」のだ。

   立川談志の「いや、はや、ドーモ」は、師匠独特の落語を語るときと同じリズムある文章と、枕でよくやる毒舌が心地よい。今週は、菅新総理についてこう書いている。

「くれぐれも菅さんよ、何かするんぢゃないよ。何かする人に思えないから総理になった。このまま数ヶ月総理になってりゃそれでいい。歴代の総理に名は残る。東京は武蔵野あたりの市民運動家から出発して別段何かと戦った事もなかったろうし、その揚句が今日の姿。楽しく毎月外国の来賓達と食事でもしてりゃいい」

   「週刊ポスト」は、隔週連載の曽野綾子「昼寝するお化け」は毎回、「そうだそうだ」と頷きながら読んでいる。小粒だが、毎日新聞記者おぐにあやこさんが、アメリカの身近な情報を伝えてくれる「ニッポンあ・ちゃ・ちゃ」もおもしろい。

   「週刊朝日」では、政治への厳しい切り口で見逃せない田原総一朗の「ギロン堂」、食べ物エッセイではピカイチの東海林さだおの「あれも食いたいこれも食いたい」、大相撲への愛情がいわせる痛烈な批判が見逃せない内舘牧子の「暖簾にひじ鉄」、昔、「週刊新潮」で山口瞳が連載していた伝説のエッセイ「男性自身」を彷彿とさせる嵐山光三郎の「コンセント抜いたか」が最近ますますいい。今週は、松下整形塾ならぬ松下政経塾について、「平成に入ってからの政経塾は、本来の理念から変質して、政治家民間官僚養成所色を強めている。表情のないツンツルテン議員たちの賞味期限はいつまでもつのであろうか」と鋭い。

   「おたく」の名付け親で、アイドル情報に詳しい中森明夫の「アタシジャーナル」も見逃せない。梨元勝の「ここまで書いて恐縮です」は、筆者が肺ガンだと告白したが、大丈夫だろうか。芸能界の田原総一朗さんのような人だから、早く回復してもらいたいものだ。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中