これが読みたくて買う週刊誌「おすすめコラム名エッセイ」
食べ物、映画、本、ゴルフ……
「サンデー毎日」は、記事の作りはイマイチだが、コラムは充実している。ベテラン政治評論家・岩見隆夫の「サンデー時評」、私と同じ競馬が大好きな元毎日新聞の敏腕記者・牧太郎の「青い空 白い雲」、書評や映画評なら、絶対、この人の考えを聞かなければいけない、中野翠の「満月雑記帳」もあるから、これだけで毎日を買っても損はないよ。
「週刊文春」は、連載コラムの宝庫だったのだが、最近やや低調気味(失礼!)のようだ。その中では、小林信彦の「本音を申せば」が気を吐いている。今週の「冷し中華進化論」では、こういう下りがある。大新聞やテレビが未だに、民主党内の菅対小沢の対立を騒ぎ立てていることに「このしつこさは只事ではない」とし、「大衆は(ぼくも)そんなことに興味はない。自分の日常が問題である。一方、大新聞は大半が大本営発表風の、どこからかくる指令をくりかえすだけである」と本質をいい当てる。私には必読のエッセイである。
連載では、「今週のBEST10」(今週はおすすめのスパークリングワイン)、取り上げる店がひとひねりしてある「斬り捨て御免!食味探検隊」で、気になった店をチェックしている。今週は、魚のうまい「新橋・濱壹と江東区牡丹・ふく田」
老舗の新潮では、右の言論の「正論」を知りたいときは櫻井よしこの「日本ルネッサンス」に目を通す。福田和也は以前の「闘うコラム」のほうがよかったと思うが、いまの「世間の値打ち」も、彼が薦める本はもちろんのこと、音楽、特に映画がすばらしい。彼が絶賛していた「ぐるりのこと」「息もできない」を見たが、ともに素晴らしいできだった。
ゴルフ好きに必読なのは、青木功の「おれのゴルフ」。自分ではできないとわかっているのに、毎号、切り取ってはゴルフズボンに入れておいて、試みては失敗しているのだが。
始まったばかりだが、「週刊大衆」のム所帰りのアウトロー作家・影野臣直の「ニッポンの刑務所まるわかりガイド」は注目。7月5日号は「刑務所グルメ 後編」だったが、思わず「ウマそー」と唾を呑んだ。特別の日にでるらしいポテトチップスを残しておいて、細かく砕き、それにソースをかけて食パンにのせてサンドイッチにすると、絶品のカツサンドになるという。醤油を多めに入れた納豆、キムチ、ホタテ缶、福神漬けをご飯の上にのせる「納豆スペシャルキムチ丼」は早速つくってみたが、うまい! 「アサヒ芸能」の「高須基仁のオンナ浚渫船(サルベージ)」は今、最も過激なコラムだろう。
ちびちびハイボールをなめながら、いいコラムを読むのは至福の時間ですぞ!