2024年 4月 26日 (金)

週刊ポスト「ガイガーカウンター被曝量測れない」を専門家に確認

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もともと計測器ではなく「被曝回避」の予測値表示

「GM管が計測しているのは放射線の数だから、明確なシーベルト計算はできないというのは、その通りです。これはシンチレーションカウンターも同様です。
   スペクトル分析して、核種ごとの放射線量を計測し、それぞれの被ばく量の係数をかけたものを足すことによって、初めて被ばく量が計算できますが、これも実際に被ばくした値ではなく、これ位の強さや量の放射線を浴びると、これくらい被曝するでしょうという予測値でしかありません。
   そもそも線量計の目的は被曝した量を計測するのではなく、被曝したくないので、現在の放射線カウント値から、どのくらい被曝しそうなのか予測値を表示させ、事前退避を行えるようにするためのものです。
   GM管はベクレルは測れるがシーベルトは測れないというのは間違いです。
   ベクレルというのは、ある放射性物質が放射線を放出する数を表します。
   明確な核種があって、それぞれその核種について何ベクレル相当の放射性物質という形で計測されますが、核種の特定ができないGM管方式でベクレルを測ろうとする場合、核種を限定しなくてはならず、そうとう複雑なことをやらなければなりません。いったいどこのGM管に、ベクレルが測れるか書いてあったのか、ポストに教えてほしいものです。
   ベータ線を測ってしまうGM管方式は空間線量計に向かない、というのもおかしな書き方です。ポストの記事中にあるように、今回の原発で使用されているウラン235やMOX燃料が核分裂した際に出てくる様々な核種は、主にベータ線を出すものばかりです。
   自然放射線源との明確な違いは、このベータ線の量の異常な多さです。ベータ線もある程度透過する力がありますし、手や顔等の露出部を被曝させます。なのにベータ線を測らせない国のやり方は、おかしいと思います。
   公的機関が行う空間放射線量調査にシンチレーションカウンターが採用されているのは、その通りです。なぜなら国産品ではシンチレーションカウンターがほとんどで、外国製品はGM管が多いからです。
   シンチレーションカウンターにも、かなり多くのタイプがあります。シンチレーターという放射線を浴びると発光する物質の光の強さを測る方法ですが、そのシンチレーターの材質で特性が変わります。
   シンチレーションは目的別に作られているものが多く、個人が身の安全を確保したくて持つ線量計としては敷居が高いと思われます」

   ポストが必要以上に放射能の危険を煽る週刊誌を批判するのは、週刊誌の役割として大事だと思う。だが、知人がいうように、正確さを欠く情報で批判するのであれば、多くの賛同は得られまい。ポストから反論があれば、いつでも紙面を割くこと吝かではない。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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