2024年 4月 27日 (土)

想定外の野田佳彦に週刊誌持ちネタなし―金脈と女問題追及これから本腰

致命傷になりそうもない元山口組系暴力団組員からの献金

   それでは、野田新総理誕生に間に合った「週刊新潮」「週刊文春」はどうか。新総理誕生となれば目がいくのが金脈と女問題と相場は決まっている。新潮は「地味なドジョウでも『野田佳彦新総理』に献金した発砲会社」と物騒なタイトルを付け、文春は「野田『どじょう総理』誕生10大タブー!」と謳ってはいるが、これまで出てきたことのおさらいで、新スキャンダル噴出とはいかないようだ。

   新潮は今年の3月に、参院予算委員会で前原、蓮舫、野田の3閣僚が、問題企業にパーティ券を買ってもらったり献金を受けていたことが追及されたことを取り上げる。その後、その企業のグループ会長Sが元山口組系暴力団組員で、脱税事件で摘発されたり、経営する会社の社員寮で拳銃による殺人未遂事件が起きていた。これを再び追及された野田財務相が、懇親会で名刺を交換しただけでその人物の過去は知らなかったが、社会通念上の問題があるから金は返したと答弁したことを問題視しているが、致命傷にはなりえないようだ。

   文春はA総研というシンクタンクのBと野田のつながりを追及。Bが芸能プロダクションの社長だったとき、タレントとテレビ局員たちが乱交パーティに参加して騒動になったが、それを主催したのがBだったとしている。野田はA総研の前身の研究所の顧問になっていて、2008、09年に顧問料を受け取っていたことを明らかにしている。

   地盤も看板も金も潤沢ではなかったであろう野田新総理が、危ない人間たちと付き合い、金の支援をしてもらっていたことはあるのかもしれない。想定外の総理のスキャンダルを、週刊誌が本腰を入れて追及するのはこれからであろう。

   両誌ともに海江田総理誕生を視野に入れて取材していたのは間違いない。扱いは小さくなったが海江田スキャンダルが載っている。新潮は「『海江田』勝利なら『別居妻』と無人マンションが吹き出ていた」、文春は「海江田 不倫のお相手から献金130万円」

   新潮は、海江田が週末しか夫人のところに戻らないために、自民党筋から「さる女優と密会しているのでは」「献金を続けている支援者と男女の仲」「スチュワーデスとの間に隠し子がいる」という怪情報を流されてしまうと危惧しているが、実兄に否定させているから決定的なものではないのだろう。

   文春は9年前に「民主党 海江田万里政調会長と鳩山代表従妹の『禁断の不倫』」で、海江田が不倫相手の住むマンションにクルマで訪れ、朝帰りしていたことをすっぱ抜いた。 今回、彼の資金管理団体「海江田万里を支える会」をチェックしていて、その彼女が08年に100万円を個人献金していたことを突き止める。当時、海江田は落選中だった。そこからは2人とも取材に答えていないから藪の中だが、もし海江田総理が誕生していれば、おもしろいネタになったかもしれない。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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