増加するシニア起業―定年退職後に「もう一旗」の強みと弱点
2011.09.20 18:00
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ここ数年、シニア世代の起業が増えている。日本政策金融公庫の調査によると、開業者に占める50歳以上の比率は、20年前は9人に1人だったが、昨年度は4人に1人になったという。シニア世代は定年を機に夢を実現したい、自由に仕事がしたいなど労働意欲が旺盛で、社会的経験が豊かで人脈が広いという強みを持っている。
年齢不問でスタッフ募集。同世代集めて小松菜ビジネス
埼玉県上尾市で農家の休耕農地を借り、60代以上のスタッフを中心に小松菜ビジネスを成功させた永堀吉彦さんはこんな話をする。
「若手をスタッフとして雇用しても、気に入らないことがあればすぐに辞めてしまう。戦力にならない」
そこで着目したのが自分と同世代か、あるいはちょっと上の世代だったという。そのために、スタッフ募集を年齢不問とし、応募してきたシニア世代を積極的に採用した。
ゲストの慶応大学・樋口美雄教授の解説――。
「今の経済状況から、再就職は困難と考えて起業するシニアもいるが、シニア世代の強みは人を知っているということ。また、それまでの経験からさまざまな場面に臨機応変に対応できる力もあるり、若手世代の起業とは一味違う。今後、シニア起業は増えていくでしょう」