人気の歯科インプラントで死亡事故―儲け優先で未経験・未熟医師が治療
2012.01.20 11:47
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多くの歯科医が大学で受講経験なし
国谷裕子キャスターが「今のままではインプラント治療の信頼が失墜しかねませんね」と東京歯科大の小宮山彌太郎教授に聞く。小宮山教授はインプラント治療の第一人者で、この治療法を29年前に日本に紹介した。
「歯科学生への講義は10年前から始まっているが、実習を伴った教育はどこの大学でも最近になってからやるようになりました。また、そういう教育を受けていない歯科医師もインプラントに目を向けるようになって、どこで学ぶかというと、業者主催の講習会だけ。耳触りのいいことだけ聞いてやってしまう」
国谷「インプラント治療はこれまでの歯科治療とは大きく異なる治療と捉える方がよろしいのではないですか」
小宮山教授「今までの歯科治療の範囲を超えた部分が多い。歯科医のわれわれだけでは解決できない全身状態を把握できる力がいる」
先週12日(2012年1月)に関係する5つの学会幹部が集まり、来年度をメドにようやく安全のためのルールづくりに取り組むことが決まった。「技量を持っていない歯科医師にはこの治療ができないようにしてほしい。公的な権限を持った所が認定するような仕組みが必要ではないでしょうか」という国谷に、小宮山教授は「日本のように、一人の歯科医師が多くの分野を手掛ける場所ではそれが求められると思う」と答えた。
*NHKクローズアップ現代(2012年1月18日放送「歯科インプラント トラブル急増の理由」)
モンブラン