2024年 4月 27日 (土)

スピルバーグ「不安な時代だから映画の果たす役割大きい」

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   総興行収入世界一、40年間ハリウッドの頂点を走り続ける65歳のスティーブン・スピルバーグ監督とはいったい何者なのか。キャスターの国谷裕子がハリウッドでインタビューした。「戦火の馬」の全国ロードショー公開を3月2日(2012年)に控えて、ちょっと宣伝臭いタイミグといえなくもないが、ハリウッドの大御所は国谷の質問に率直に答え、今なお「映画製作をしながら未知の世界の扉を開く」のが生きがいだと語る。その生き方、映画製作への一貫した姿勢に感銘を受けた。

「戦火の馬」は戦争映画でなくラブストーリー

   最新作「戦火の馬」は、第一次大戦下、貧しい農家の少年に引き取られた1頭の馬が軍馬としてフランスの戦場に駆り出され、行く先々で敵味方を超えて兵士の心を癒し、心の交流をもたらしていく物語だ。イギリスの児童文学を映画化した作品である。

―この物語のどこに魅かれ、監督したいと思われたのですか。

「私はこれまで何度も戦争の本質について取り上げてきました。しかし、戦争を通じて、愛や情熱、人の絆を深く追求したことはありませんでした。そういった意味で、これまで私が手掛けてきたものとはまったく違う作品です。これは戦争映画ではなくラブストーリーなのです。
馬のジョーイは憎しみに満ちた兵士たちの心を癒すシンボルです。戦争という過酷ななかに動物がいることによって、人々は政治やイデオロギー、敵に対する憎しみを忘れることができる。そういうことを伝えたかったのです」

―とても古典的というか、おとぎ話のような物語です。先進国では中間層がしぼみ不況、不安の中、おとぎ話が人々の共感を得られるでしょうか。

「厳しい時代だからこそこういう物語が大事なのです。日本でも共感を呼ぶと思います。災害に見舞われたり、景気が落ち込んで、人々が今よりも以前の暮らしのほうがよかったと懐かしむような時こそ、人々はロマンやファンタジーを求め、映画の世界に現実逃避したいと思うのではないでしょうか。映画はそのような役割を担っているのです」
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