小沢一郎「無罪」に冷や水ぶっかけた「隠し子報道」母親は芸能関係者

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   注目の小沢一郎の判決が「無罪」と出た。大方の予想通りではあるが、「週刊新潮」が「小沢復活は日本国にとって幸か不幸か!」と書いているように、政局はますます混乱し、東北の復興はさらに遅れ、景気浮揚のきっかけさえ見つからないまま日本丸沈没にならなければいいのだが。

   「週刊文春」は松田賢弥を起用して違う角度から小沢批判をしている。「小沢一郎に隠し子がいた!」。以前からいわれているように、紀尾井町にあった料亭の女将と小沢は相思相愛で、結婚したかったのを田中角栄が許さず、今の和子と結婚させてしまった。しかし二人は結婚後も関係は切れることなく、現在も続いているというのが大方の永田町住人たちの見方である。

   1994年、私が「週刊現代」の編集長の時に、松田に「小沢に隠し子がいる」と書いてもらったことがあった。それは元女将が突如3歳の男の子を養子として引き取り、手元で育てているという話だった。彼女の子でないのは間違いないが、父親は誰で、母親は誰なのか。その当時、父親は小沢一郎で、母親は芸能界にいた女性だったと書いた。二人の接点は小沢が幹事長の時、ホテルのスイートルームを貸し切り、小沢たちと呼ばれた女性たちで飲み食いするパーティを何度か開いたことがあったそうだ。そこで知り合い、彼女はしばらくして姿を消してしまうのである。そして90年夏に男の子を出産する。その子を2年半も手元で育てながら、元女将に渡してしまったのだ。このあたりまではその当時の現代に書いてある。

   今回、松田はその子の産みの母親と結婚した男性と親しかったXという人物に接触することができ、当時の詳しい経緯を聞き出すことに成功した。産みの母とその母親にも直撃インタビューしている。松田の執念が、政治家にとって一番嫌な隠し子の存在を白日の下に晒した。松田は田中角栄とその彼女だった佐藤昭の関係をとりあげ、角栄は認知こそしなかったが、娘・佐藤あつ子をわが子のように可愛がったのに比べ、子どもの存在をひた隠しにしてきた小沢との違いをこう書く。

「産みの母親から引き離され、裕子(仮名=筆者注)のもとに引き取られた建太君(仮名=筆者注)は、どんな思いで生きてきたのか。小沢が角栄のような愛情を建太君に注いだことが、果たしてあったのか。(中略)やはり小沢は、つくづく『角栄になれなかった男』と言わざるを得ない」

   無罪判決の日に、小沢が一番嫌がるだろうテーマをぶつけた文春と松田の覚悟に脱帽である。

母・山口百恵が求めた普通の家庭―「めちゃイケ」大好きでチャゲ&飛鳥ファン

   週刊誌の楽しみの一つは、今だから話そうという人物インタビューである。先週になるが、「週刊女性」に載った俳優・穂積隆信の「『積木くずし』から30年、娘は誰の子だったのか」はよかった。穂積は俳優としても脂がのりきっていたとき、自分の娘が非行に走り、それを更正させようと悩む自分たち夫婦のことを書いた「積木くずし」が300万部のベストセラーになり、テレビドラマ・映画化もされた。

   しかし、娘は再び非行へ走り、妻はほとんどの財産をもって男と出奔してしまう。借金まみれになり生活保護を受けるまでに困窮した穂積。しかし元妻は脳梗塞で倒れ、娘も35歳で突然亡くなってしまう。私はこの本が出た当時、穂積にインタビューしたことがきっかけで、一時親しく付き合ったこともあったが、その後、これほどの苦難の人生を歩んでいたことは知らなかった。

   今週の「女性セブン」の「父・渡辺謙と私『家庭崩壊』『断絶』『和解』まで」と文春の「母・山口百恵を語る 三浦祐太朗」はそこまでの迫力はないが、おもしろく読んだ。渡辺謙の長男・大も苦難の人生を歩んできた。母親が謙に隠して大借金をしていたことで別居、離婚にいたり、父・謙とは断絶状態になってしまう。しかし、渡辺謙が南果歩と再婚することになって父親のほうから歩み寄ってくる。そして二人で酒を飲む関係になったという。白血病、離婚・再婚、子どもとの確執と和解。今や世界的な俳優になった渡辺謙の人生もまた平坦なものではなかった。

   一方、山口百恵の長男・山口祐太朗(27)のほうは、何ということのない平坦な人生をてらいもなく語っている。母・百恵が大スターだったことを知らず、それほど話し合う家族ではないが、みんなが分かり合っている家庭だったという。今は外に出ているが、実家に帰ると喜んでくれて、母が得意にしているひじきの煮物や味噌汁を飲むのが好きだという。テレビの「めちゃイケ」が大好きで、チャゲ&飛鳥の大ファンだという母。そこには子ども時代が不遇だった百恵が、芸能界を引退して何としても築き上げたかった普通の幸せな家庭がある。これもすごいことである。

福島原発「やっぱり地震で壊れてた!」フクニ作業員ジャーナリスト告発ルポ

   最後に「週刊朝日」の「福島第二原発も地震で壊れていた!」に触れておきたい。フクニ(福島第二原発)で現在も働いているジャーナリスト・霧島瞬の告発ルポである。こういう下りがある。

「東電は今回の被害は津波によるもので、原発は地震に耐えたといっている。しかし、それを疑わせるようなものがある。(中略)写真で明らかなように、そこの配管にダメージがあったということは、地震の揺れで起きた被害ということだ」

   筆者は、東電は「フクイチ、フクニの事故の全容を公表すべきだ」と結んでいる。福島第一原発、第二原発の調査も道半ばなのに、野田佳彦首相は大飯原発の稼働を強引に進めようとしている。なぜそんなにあわてるのか。ここは「二度と同じ過ちを繰り返さない」ためにも、事故原因の徹底的究明を行うことが最優先されなければならない。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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