JTB丸投げ「熱気球ツアー」お座なりの下見、客には事故免責署名

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   エジプトの世界遺産の観光地ルクソールで熱気球が燃えて落下し、日本人4人を含む19人が死亡し2人が負傷した。亡くなった日本人4人は、熟年旅行を楽しむ東京在住の60代の夫婦2組だった。映像には、熱気球が落下した草地に、焼けた気球のかごや片方だけのスニーカー、ボンベが散乱し、運び出される遺体の無残な姿が映っていた。

   風もなく天気は良好だったという上空の気球でいったい何が起きたのか。

パイロット逃げ出し乗客為す術なし

   事故の気球からわずか100メートル離れた隣りの気球で一部始終を目撃したパイロットはこう証言している。「気球が10メートルぐらいの地上で、真ん中にあるバーナー近くが燃え出した。この火事でパイロットがヤケドしたようで、飛び降りるしかなかった。そのときイギリス人も飛び降りた。火事の影響で気球は90メートルぐらい上昇し、かごが燃え上がり、その高さから落ちた観光客がいた。残った人は見えなかったが、やけどで死亡したと思う」

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   1人しかいないパイロットが真っ先に飛び降りてしまったのだ。キャスターの小倉智昭は「バーナーの火が飛び火した状態でパイロットがいないと、お客さんはどうやって運転していいか分からないですようね」と憮然としている。

   国際気球委員会の市吉三郎日本代表は「人間2人で150キロ程あり、2人が飛び降りれば、あとはかなりの速度で気球は上昇します。普通のパイロットなら即、気球を降ろすしか方法はない。紐を引っ張るだけですから、紐を引けばすぐに作動する。どうして紐を引かなかったのか、引けなかったのか分からないですね」と訝る。

   飛び降りたパイロットとイギリス人がそのどうなったか不明だが、生存していればパイロットはいずれ取り調べの対象になるだろう。

エジプト専門の旅行会社経由して委託

   もう一つ解せないのが、この気球を運営している会社は事故を再三起こしていた会社という報道もあり、日本の旅行会社は事前に安全性をチェックできなかったのかという点だ。ツアーを企画したのはJTB子会社のJTBグランドツアー&サービスだった。「悠久のナイル川クルーズと古代エジプト10日間」とうたって、熱気球飛行はオプショナルツアーで、料金は1人1万5000円から1万8000円だった。

   ただ、実際はエジプト観光専門の別の2社を経由し委託されており、熱気球飛行は現地のスカイクルーズ社が運行していた。スカイクルーズ社は現地では「危ない会社」といわれていたという。これについて、JTBグランドツアー&サービスの今村敦社長は「私どもは現地に赴いて、添乗員がバルーンツアーの会社を下見をした上で、人気が高いということで採用させていただいた」という。ただ、下見したバルーンツアー会社が事故を起こした会社かどうかは不明という。

   その程度の安全性チェックだったのに、JTB側はツアー参加客に、万一事故に遭遇した場合は「JTB側は一切責任を負わない」という同意書に署名させていた。「トクだね!」はあまりこの点には触れず、もっぱらパイロットが真っ先に飛び降りてしまったことや事故原因に終始したのが気になる。

文   モンブラン | 似顔絵 池田マコト
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