2024年 4月 26日 (金)

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大新聞がアマゾンに身売り!?朝日新聞「ハフィントン・ポスト日本版」に失敗の声

   さて、アマゾンのジェフ・ベゾス氏(49)が2億5000万ドルでアメリカの名門新聞『ワシントン・ポスト』を買収したニュースは世界に衝撃を与えた。その2日前には『ボストン・グローブ』紙が7000万ドルで身売りすると発表していた。

   『週刊ポスト』はアマゾンが日本の新聞の買収まで目論むのではないかと報じている。<もはやジリ貧だった。アメリカの日刊紙発行部数は、80年代まで6200万部を保っていたが、ネット登場後の11年には4442万部へ激減。ワシントン・ポストも最盛期の半分の40万部に落ち込んでいた。

   皮肉にもそこに手をさしのべたのが、ネット企業の王者、アマゾンCEOのベゾス氏だっただけに買収劇は憶測を呼んだ>

   今回はベゾス氏個人の買収だが、彼は何を考えて買収したのか。<東洋経済オンライン編集長の佐々木紀彦氏はいう。「アマゾンにとって、世界中の人々の購買データは最大の財産。新聞社を持てればアマゾンの持つ顧客データーがさらに拡充される。読者がどんな記事を選び何に興味があるのかを把握すればe-コマース(電子商取引)はさらに進化する」>

   顧客データだけではなく、アマゾンのコンテンツの充実を考えていると話すのは在米ジャーナリスト北丸雄二氏だ。<「アマゾンはキンドルに配信するコンテンツの1つ、キンドル・シングルズ(短編電子書籍)に力を入れている。これは新聞や雑誌の記事としては長く、かといって単行本としては短い、1万語~5万語未満の作品を、5ドル未満で販売するというもの。ベゾスはワシントン・ポストの記者にもシングルズで作品を発表させて、この流れを加速させたいのではないか」>

   米国の印税は25%未満だが、シングルズは70%にもなる。先の佐々木氏はこういう。<「すでにアマゾンの出版部門アマゾンパブリッシングには30人弱の編集者がいて、自前でコンテンツを配信できる態勢を整えている。小売業同様、メディアの『中抜き』を狙ってるのかもしれない」>

   日本はどうか。日本の新聞の部数減、電子版購読者の少なさはアメリカよりも深刻である。朝日新聞の公称部数は760万部。いずれ来る500万部時代を想定して地方支局縮小に向けて動いているという。朝日は電子新聞を2年前から導入した。表向き10万人突破といっているが、単独で電子版を購読しているのは1割に満たないようである。

<今年5月、アメリカのネット大手AOL傘下のハフィントン・ポスト・メディアグループと合弁会社を作り、ハフィントン・ポスト日本版を開始。ニュースやブログをベースに、ユーザーが意見を交換する参加型コミュニティという触れ込みだったが、期待を大きく裏切った。
   「なかなかページビュー(PV)が上がらず早くもハフィントン・ポストへの出資は『大失敗』という声が上がっている」(ジャーナリストの山田順氏)
   朝日は紙にかわる新たなプラットフォーム作りを模索するがいずれも失敗。もちろん厳しい状況にあるのは他社も同じだ>(週刊ポスト)

   それに比べてウォールストリート・ジャーナルは全購読者208万のうち約4割の89万人が電子版の読者。ニューヨーク・タイムズは190万人の購読者のうち110万人が電子版購読者だ。いずれも購読料は月約20ドル(約2000円)で、日本の半分。日本の新聞界はアメリカに比べて10年遅れているといわれているそうである。

<いずれ新聞社がアマゾンのコンテンツサプライヤーに成り下がる可能性は否定できない。前出の朝日新聞関係者は呟く。
   「発行部数を維持できなくなり、電子版も伸びない新聞社が、アマゾンに記事を配信する『下請け』と化す。これはアマゾンが直接、日本の新聞社を買収するよりも現実的かもしれない>(週刊ポスト)

   日本の新聞には弱点があり、さらに悪いシナリオが考えられるというのは北丸氏だ。<「日本語で作られる新聞は海外への訴求力に乏しい。日刊新聞法(1951年に施行された法律。新聞社の株式譲渡に制限が加えられているため買収されにくい=筆者注)に守られているため世の中の動きにも鈍感。欧米からも相手にされず気づいたら根元から腐って再起不能、といった事態にもなりかねない」>

   このままでは日本の新聞、出版に明日はなさそうである。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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