2024年 5月 5日 (日)

子供は親を選べない…法律が追い付いていない「婚外子と嫡出子差別」最高裁は違憲判断

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   先月28日(2013年9月)に公開された映画「そして父になる」が、世代を超えて人気を呼んでいる。物語は病院でわが子を取り違えられた家族の葛藤を描いていて、親子とは、血縁とは、家族とは何かを問いかける。「クローズアップ現代」も同じテーマを取り上げた。

   「結婚していない男女の子は、結婚した夫婦の子の半分しか遺産を受け取れない」のは違憲。先月4日、最高裁の大法廷は「婚外子」の相続差別について決定を下した。キャスターの国谷裕子は「この決定で、明治時代から100年以上続いてきた民法の規定が変更を迫られることとなり、さまざまな波紋を呼んでいます」と伝える。

結婚外の子供55%のフランス「平等に扱うこと法律で義務付け」

   最高裁の判断にたいして、「これまでの日本の家族制度が崩れる」という反発もあるが、事実婚やシングルマザーの増加で婚外子は年々増加している。いまや毎年約2万3000人、出産児全体の2%になっている。1人目はシングルマザーで出産、2人目は結婚・再婚をして出産など、同じ家族の中でも法的格差が生じる家庭も増えている。

   税制面での問題にもスポットを当てた。夫と死別しシングルマザーとして1人目を育てた西崎麻衣さんは、「夫と死別した後は寡婦控除で35万円がありました。でも、その後に再婚し2人目を出産したら、7万4000円が課税されました」と苦しい台所事情を話す。

   昨年、内閣府が行った世論調査によると、婚外子と嫡出子との間で差をつければ、将来、遺産相続や親の介護問題がどうなるのかを不安視する声が多い。国谷は「子供は親を選べません。子供目線で両方を平等に扱うべきではないでしょうか」と語る。

   取材を担当した上田真理子・NHK社会部記者は「フランスでは出生児全体の中の婚外子の割合は55%と過半数を超えています。そのため、フランスは婚外子も嫡出子も平等に扱うことを法律で定めています」と説明した。

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