2021年 1月 18日 (月)

官製ベア「中小企業」「非正規雇用」蚊帳の外…大手自動車下請けの賃上げ10社に1社

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   久々に春闘が動いた。「景気回復は個人消費につながる賃金上昇がカギ」という政府の要請に応える形で、自動車、流通の大手がベアで軒並みに数字を出した。バブルの崩壊以来、実に13年ぶりである。この官製ベアを安倍首相は自画自賛しているようだが、問題はこれが中小企業や非正規雇用の社員まで及ぶかどうか。動きはまだ「ほんの始まり」に過ぎない。

親会社からコストダウン迫られ「会社を守るのが先。賃上げは無理」

   自動車大手の富士重工業は今年度、北米の売り上げが伸びて過去最高の利益となる見通しだ。この利益を賃上げに回すか、新たな技術開発につぎ込むか。吉永泰之社長は「数週間考えました。最後に従業員の頑張りに期待して」という。要求3500円に2000円で応えた。

   群馬・太田市はその富士重工の下請けが集まる企業城下町だ。従業員700人の内装部品の1次下請け会社は今年度の売り上げは過去最高の見通しだ。労組は12年ぶりのベアを要求した。しかし、交渉の結果は800円だった。

   地元の信用金庫が行ったアンケートで、賃上げの広がりには限りがあることがわかった。対象の600社には2次、3次の下請けも多く入っている。「賃上げをする」と答えたのは約10%にすぎなかった。

   マフラーの部品を作る2次下請けの会社は頭を悩ませていた。従業員は25人。社長は「受注が増えたので賃上げするつもりだった」が、発注者から「コストを2.5%下げてほしい」といわれた。部品の単価は50円。利益率3%を2.5%下げれば利益はほとんどなくなる。

   賃上げを見送ったところもあった。プラスチック樹脂の2次下請けは去年新しい成型機械に3400万円を投じて能力をアップさせていた。アップさせないと仕事が他社へいってしまう。今年中にはほかの機械も更新しないといけない。「会社を守るのが先。賃上げは無理」と社長はいう。

   日本総合研究所チーフエコノミストの山田久氏は、「賃金は14年間下がり続けでした。この間、企業はコストダウンでしのいできたわけですが、その体質から抜け出せるかどうか。企業は経営戦略を変える必要があります」という。2次、3次下請けが浮上するには時間がかかる。

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