緒形拳コンプレックスに悩み続けた大スター!命削って演じ続けた一人芝居...原動力なんだったのか?
<俳優という名の男たち 緒形拳 掌 てのひら>(NHK BSプレミアム)

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   緒形拳のことを師匠と呼ぶ豊川悦司が語る緒形拳の修羅と愛。未公開だった緒形の肉声の入ったテープから、あれほどの大スターにして彼の中心にあったのはコンプレックスだったという意外さ。まさに息をつめて見入る1時間であった。しかも、出てくる語り手が決して甘口のヨイショ人間ではない。新国劇入退団で世話になった北条秀司の娘・美智留は激辛、同年代の津川雅彦も醒めた観察、映画「あつもの」の監督をした池端俊策は緒形に寄り添って優しい。
   筆者は緒形と言うと大河ドラマ「太閤記」の秀吉と、野村芳太郎監督映画「砂の器」で演じた若き日の素朴な警官姿が目に浮かぶ。ちょっと腰をかがめて人のよさそうなしゃくれた顎のニコニコ顔。決して美男子でもなく、声も美声でなく、このドキュメントで共演者の小島聖が語ったように肉体労働者のごとき手をしている役者。
   最後はガンを抱えて全国を回った1人芝居の「白野」、1時間半を越える長文のセリフを病身でこなし、命を削って演じた原動力が何だったのか。役者の「さが」としか思えないが、あの、不細工な大鼻ゆえに、思う人に気持ちを伝えられない「シラノ・ド・ベルジュラック」の翻案芝居は、緒形の模索し続けた俳優人生の琴線に触れる部分があったのだろう。
   筆者が彼を面白いと思うところは、一見芸術を追及するストイックさがある俳優にもかかわらず、超々大衆的な新国劇がスタートだったというアンバランスである。(放送2014年9月17日22時~)

(黄蘭)

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