弦切れエピソードの五嶋みどり43歳「どうしようもない孤独感」大人の女性として心満たされない演奏家生活?
<プロフェッショナル 仕事の流儀 ヴァイオリニスト 五嶋みどり」(NHK総合)

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   11歳から世界的に活躍する五嶋みどりの密着ルポ。かつて指揮者のバースタインと競演中、弦が切れて、即座にくるっと後ろを向いてオケのメンバーのヴァイオリンを借り、つつがなく演奏し終り賞賛され、アメリカの教科書にも載った彼女。いい話は数々あるが、今回は21歳で発症した鬱病や、23歳で大学に入った話など、負の部分にも触れた。まあ、よく取材してあったというべきだろう。
   筆者が面白かったのは、年間100回も地球上を飛び回って活躍している有名音楽家といえども、非情なカメラは彼女の内面まで炙り出すこと。つまり、ニコニコと障害者たちの練習を我慢強く聴いている姿を映してはいるが、彼女のどうしようもない孤独感がこちらに伝わってくるのだ。天才の孤独とはよく言われる言葉だが、恐らく、大阪弁のステージママ・節さんのサポート付きだとしても、43歳にもなった大人の女性として、彼女の演奏家生活が心から彼女の精神を満たしているとは思えない。幸せな人生とは思えないのだ。
   教育にシフトしているのがその証拠である。今後、五嶋みどりがどっちの方向に進むのか興味のあるところだ。かつて彼女のリサイタルを聴いた時、筆者は正確無比な演奏でも、あまり感動は得られなかった。今思えば、彼女の淋しい内面が映し出されていたのだろう。聴衆の我儘ともいえるが、同じように天才少女から成長したドイツのアンネ・ゾフィー・ムターにはもっと温かさを感じたのだ。(放送2014年11月3日22時~)

(黄蘭)

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