2024年 5月 3日 (金)

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「安楽死」「尊厳死」賛成68・8%―週刊文春メルマガ会員アンケート

   アメリカ人女性のブリタニー・メイナードさん(享年29)が11月1日(現地時間)、医者から処方された薬を飲んで自ら命を断ったことが話題になっている。彼女は「愛する家族、友人よ、さようなら。世界は美しかった」とFacebookに書き残した。

   ブリタニーさんは末期の脳腫瘍になり、今年4月に余命半年と宣告された。その後、自宅のあるカリフォルニア州から、医師の「自殺幇助」による「安楽死」が法的に認められているオレゴン州へと引っ越した。若い彼女が安楽死を選択することをウェブ上で公にしたため、生前から全世界の関心を集めていた。

   日本では終末期に「尊厳死」を選択するか否かは、本人の意思確認ができれば認められる場合があるが、「安楽死」は認められていない。尼崎で開業医をしながら、日本尊厳死協会の副理事長を務める長尾和宏医師が2つの違いをこう解説する。

<「ブリタニーさんの死は、英語の『Death with dignity』を直訳して、『尊厳死』と一部のメディアで報じられました。しかし、これは医師が薬物を使って人工的に死期を早めるという、いわば医師による自殺幇助で、日本では『安楽死』と呼んでいます。
   一方、日本での『尊厳死』とは患者の意思により、たとえばがんの終末期などに延命措置を行わない、または中止して自然死を待つことを意味します。自然な経過に任せて最期を待つか待たないかが両者の違いといえます」>

   週刊文春はメルマガ会員1143人に尊厳死、安楽死について聞いたという。すると、安楽死にも尊厳死にも賛成という意見が全体の68.8%にもなった。理由としては、身近な人の死を経験して「人間らしく生きる」ということについて考えたためという回答が多かったそうだ。

   現在、難病と闘い切実な思いで病と向き合っている51歳の女性の言葉には胸打たれる。<「医師から、そう遠くない未来に全身が動かず寝たきりになり、失明し一切の光をも失うことを宣告されている。何も見えず、指先すら動かせない未来の自分の姿を考えると、ごく自然に『死』という選択肢が浮かぶ。自分の意思で体が動かせない状況を受け止めながら生きることをなぜ他人に強要されなければならないのか。穏やかな表情や精神状態を保てるうちに、大切な人たちに落ち着いて『さようなら』と言える権利が私は欲しい。苦痛に歪む姿を家族に焼き付けたくない」>

   私にも忘れられない思い出がある。親しくしていた有名ノンフィクション・ライターが、医者に行くカネもなくなり事務所で倒れ、担ぎ込まれた病院で末期がんと宣告された。それからさほど経たないうちに激しい痛みが始まり、ベッドの中でのたうち回るようになった。小康状態の短い間は私と話ができるが、ほとんどは痛みのために苦しみ、モルヒネもあまり効かないようだった。

   奥さんとは離婚状態で見舞いにも来てくれず、ベッドの上に「あなた頑張って」という奥さんからのFAXが貼られていた。結局、苦しみ抜いて数日後に亡くなったが、死をどう迎えるのかを私に真剣に考えさせることになった。

   必ず来るその日をどう迎えるのか。認知症にならないうちに「遺言」を書き始めようか。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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