2024年 5月 8日 (水)

若者を信頼しよう!高校で始まった「主権者授業」中立性に戸惑う教師・・・生徒たちは「とにかくいろいろ知りたい」

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   来年(2016年)の参院選挙から選挙年齢が18歳に引き下げられる。若者は政治に興味がないようで、東京・渋谷の繁華街で男子高校生に選挙権について聞くと、「誰に投票していいのかまったくわからない。まだ早い気がする」とはなす。女子高生も「あまり興味がない、難しい」

   20代の若者の過去3回の衆院選の投票率は、平成21年49.45%(全体69.28%)、平成24年37.39%(同59.32%)、平成26年32.58%(同52.66%)と全体を大きく下回っている。国谷裕子キャスターも「社会問題に財政問題、安全保障政策、農業、産業政策と、非常に複雑な課題について、(大人でも)自分の意見を持って議論することができるのでしょうか。突き付けられると、思わず後ずさりしてしまいそうです」

女子高生「複雑な課題こそ議論したい。無知っていうのは恐い」

   この秋から高校で「主権者教育」の授業が始まった。学校は何を教えようとしているのか。全国に先駆けて主権者教育に取り組んでいる神奈川県立湘南台高校(藤沢市)ではこんなふうに進めている。

   ある女子生徒は授業で討論を行ううちに、政治や社会の見方が以前とは変わってきたという。その転機になった授業を次のように話す。「授業で被災地の瓦礫を全国で受け入れることの是非を議論した時のことで、自分の意見を持つためには幅広い情報を集める必要があると感じました。無知っていうのは恐いことだと思ったんです。情報を知ることによって意見がガラリと変わってしまうこともあるし、まずは情報をたくさん自分の中に吸収することが大切なんじゃないかと思います」

   教える先生の方は難しい課題に直面している。意見が鋭く対立している現実の政治課題を取り上げるべきかどうか。主権者教育を担当する先生たちが集まった検討会で、担当の黒崎洋介教諭(27)が国会で大きな議論になった集団的自衛権を授業のテーマで取り上げたいと提案した。理由は「これからの社会を生きる生徒たちに、平和主義の問題をぜひとも考えてほしいと思うから」だ。しかし、他の先生から懸念の声が上がった。「進め方、こちら側の持って行き方で微妙になってしまうかなという気がする」「生々しく政治に近づきすぎちゃうかなという気がする。私たち教員が不用意に言ったことが彼らを扇動するようになっちゃうと困る」

   学校の教員には政治的中立性が義務づけられている。しかし、生徒たちは年が明ければ半年後に参院選挙が待っている。ある程度、現実の政治に沿った授業内容でないと意味をなさなくなるおそれがある。投票ではどこかの政党を選択しなければならないからだ。

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