「もう生きられへん。これで終わりや」86歳認知症母親と「介護疲れ心中」54歳息子の地獄
2016.05.03 12:00
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死にきれず執行猶予から8年・・・へその緒握って入水
Yさんが入水したのはおととし(2014年)の8月1日早朝だった。遺体には数百円の小銭の他に、母との絆「へその緒」があり、「一緒に焼いてください」とあった。
介護問題を研究している立命館大准教授の斎藤真緒さんは、裁判を傍聴した。「Yさんは『母の元へ行きたい』と繰り返し語りました。判決は生き続けることが被害者へのいちばんの贖罪だというメッセージでもあっただけに、(亡くなったのは)残念です」「家族介護は難しいです。どうしても社会との接点がなくなっていき、看取った後の介護ロスから立ち直るときにも、社会との繋がりを取り戻すことが必要になります。 今回はそれができなかった」
10年前、判決は「問われているのは行政であり、介護保険制度である」と明確に指摘した。制度が想定していたのは健康で動ける介護者だったが、いま介護者の方が心配になる状況だ。放送の間にNHKに視聴者からの意見が110件も寄せられた。たいへんな関心の高さだ。似た境遇にある人がいかに多いかを示すものだろう。
少子化も高齢化も、人口統計を見れば何十年も前にわかっていることだった。長い視点を持てない政府に改善なぞ望むべくもないか。保育園の待機児童すら解消できないのだから。
ヤンヤン