2024年 4月 26日 (金)

涙が出るほど感動した「オバマ広島スピーチ」任期満了までに核廃絶の具体的道筋示せ

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   <全人類に向けた歴史的な演説――。現職の大統領として初めて被爆地・広島を訪れたバラク・オバマが語った言葉は、名実ともにそう呼ぶのにふさわしい>(『ニューズウィーク日本版』6月7日号)

   5月27日(2016年)にオバマ大統領が広島を訪問した。広島平和記念館での滞在は10分間と短かったが、そのあとに行った17分間のスピーチと、2人の被爆者との握手、ハグする姿に涙が出るほど感動した。大統領就任早々行った核廃絶宣言、そして任期を終える間近に行った広島でのスピーチは、私も歴史に残るものになると思う。

   何にでもケチをつけたがる週刊新潮は、オバマは核兵器なき世界を目指す勇気を持たなければいけないと語ったのに、「核発射ボタン」を広島に持っていったのは「自己矛盾だ」と批判している。<「アメリカ大統領は、つねに核兵器の発射命令を出せるよう指揮通信装置を携行しています。この正式名称は『大統領非常用手提げカバン』、通称『核のフットボール』と呼ばれています」(軍事アナリストの小川和久氏)>

   このカバンで作動できる米国保有の核兵器の威力は、広島型爆弾(15キロトン)の2万2000発分に相当するという。<「オバマさんが広島に滞在した1時間40分ほどの間、広島が実質的な『発射基地』になっていたわけです。(中略)政治家には言行不一致が多いとはいえ、非常にみっともないと思います」(平岡敬・元広島市長)>

   こうした考えや、被爆者の中には今でもアメリカが憎い、謝罪せよという人たちがいることも事実である。本国へ帰ったオバマ大統領は、広島、長崎へ思いを馳せ、悲劇を2度と繰り返さないために、核廃絶への具体的な道筋を示してから大統領を辞めるべきである。

米情報機関内部告発スノーデン「日本の秘密保護法は米国がデザインしたもの」

   ジャーナリストの小笠原みどり氏が「スノーデン独占インタビュー」をサンデー毎日に掲載している。スノーデン氏はロシアに亡命中だから、インタビューはネットを通してである。要点をかいつまんで紹介しよう。

   <ここでスノーデンは驚くべきことを語った。「日本で近年成立した(特定)秘密保護法は、実はそのために米国がデザインしたものです」と。NSA(アメリカ国家安全保障局=筆者注)の監視網を日本で法的に認めさせると同時に、拡大するために。「もちろんこれはけっして公では語られないことです」と彼は続けた。「けれどNSAには100人程度の法律家がいて。各国の法律の枠組みによって、どの程度まで諜報活動が許されるのかを分析しています。(中略)

   日本は比較的情報がオープンな国で、例えばあなたのようなジャーナリストが政府の秘密を暴いたとしても、これまで極端な罰則はなかった。でも今回の秘密保護法で、国の秘密を漏らせば(最高で)懲役10年の罰則になりませんか?」

   罰則によってNSAの監視システムを公衆の目から隠すことができるから、米国は「秘密保護法をつくれば、もっと機密性の高いトップシークレットもあなたがたと共有できるようになりますよ」と、日本側に持ちかけたというのだ。スノーデン氏は、国の安全のために地球上すべてのコミニケーションを傍受することが許されるのか。この方法が正しいのかが問われるべきだと指摘する。

   日本の報道機関もこうした諜報の対象になっているのだろうか? と問うと、

   <「これは中国やロシアで起きていることではありません。表現の自由、報道の自由を掲げた西側自由主義、民主主義国で起きていることです。とすれば、なぜ日本のジャーナリストだけが除外されるのでしょう? 誰ひとり例外なく傍受され、同じバケツに入れられる。それが無差別監視です」>

   6月4日(土曜日)に東京大学でスノーデン氏のインターネットを通じての講演「監視の『今』を考える」が行われる。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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