2024年 4月 16日 (火)

「高畑裕太」腑に落ちない示談!無罪主張というならなぜ逆告訴しないのか

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   俳優・高畑裕太が強姦致傷容疑で逮捕されたのが8月23日(2016年)。逮捕早々、裕太は「欲求を抑えきれなかった」と告白したなど、罪を認めているかのような報道があり、芸能界追放はもちろんのこと、下手をすると懲役5年以上の実刑判決が出るかもしれないといわれていた。

   ところが、9月9日に突然、不起訴&釈放となった。17日ぶりにシャバに出てきた裕太は「ご迷惑をおかけして本当に申しわけありません」と大声で報道陣の前で頭を下げたが、報道陣やテレビを見ているわれわれを睨むような表情が印象的だった。

   異例なのはその日、無罪請負人といわれる弘中惇一郞弁護士事務所が、不起訴に至った経緯を説明する文書を発表したことである。そこで、裕太からの話は繰り返し聞いたが、他の関係者の話は聞けていないので、事実関係は解明できていないが、裕太は合意があるものと思っていた、逮捕時の報道にあるような「部屋に歯ブラシを持ってきて」などと呼び出し、引きずり込んだという事実はなかったとして、起訴・裁判になっていれば無罪を主張した事件だったといっている。

   週刊文春、週刊新潮はともに、示談が成立したし被害者の傷も軽傷のため「致傷」で起訴するのは難しくなった(致傷の場合は本人の親告がなくても起訴できる)と検察が判断したのではないかという見方をとっている。だが、釈放後、裕太がいた事務所は彼を解雇している。

   週刊新潮でフラクタル法律事務所の田村勇人弁護士はこういう。<「無罪主張と示談は相反するものです。冤罪と考えているなら、そもそも示談するべきではない。一般人であれば200~300万円の示談金も、彼のような有名人になると2000万円は下らないと思います」>

   週刊文春でも刑事事件に詳しい弁護士が、<「声明にある高畑さん側の主張が事実であれば、美人局の被害にあったようなものです。虚偽告訴罪の告訴、捜査機関への損害賠償請求もするべきなのに、それをなぜしないのでしょうか」>と疑問を呈している。釈放されても万々歳とはいかないようである。

   フライデーは被害にあった40代の女性が当日の朝に相談した男がいて、その男が彼女に医師の診断書をとらせ警察に通報したのだが、男は「指定暴力団の関係者であることが判明した」と、『裕太の知人』が語っていると報じている。

   被害女性は裕太が来たとき「ファンなんです」といい、その夜は、裕太は供述書で「2人でエレベーターに乗って部屋に向かった」といっているという。そうであれば、事件後も部屋で寝ていて、警察に踏み込まれるまで知らなかったというのは、彼にその意識がなかった可能性が高いとフライデーは書いている。

   被害女性の知人という男性は示談交渉でも大きな役割を果たしたという。彼は地元でも指定暴力団の関係者として知られた存在であると書いているが、裕太の知人の話でまとめているので、裕太サイドに同情的で、罠にはめられたのではないかというニュアンスが読み取れる。

女性セブン「被害女性」調べてみると・・・見え隠れする悪評判の60代男性

   この藪の中に分け入ってさらなる真相を探ろうとしたのは、男性誌ではなく女性セブンである。<レイプしても、カネさえ積めば許される>ことになると批判し、<裕太が本当に凶悪事件を起こしたのなら、相応の罰を受けるべき>だとし、先の弁護士の文書は<セカンドレイプではないかという批判も上がっている>と手厳しい。「合意」があったなら裕太が社会的な制裁を受ける必要はないはず。だから、この事件を曖昧なまま終わらせてはならないと、現地取材を試みるのである。

   件の女性は40代で、橋本マナミに似たはきはき喋る美人だという。当夜、裕太が女性を引きずり込んだといわれるが、隣の部屋にいた映画の撮影スタッフは「争う物音はまったくしなかった」と話している。女性セブンの記者も泊まって、「壁は決して厚いとはいえず、隣のテレビの音が聞こえるほどだった」としている。こうしたディテールが大事なんだ。それでも、裕太の暴力に恐怖し声も出せなかったという可能性は残る。

   警察が連行し、弁護士が接見する前に供述調書を取っておくというのは警察としては常道だったと見る。だが、当人が芸能人ということで「手柄」になると功を焦った面もあるのではないかとも見ている。寝起きを襲われ、それほどの重大事件だとは思わず、容疑を認める発言をしてしまった可能性はある。

   なぜ彼女は警察ではなく、知人男性に連絡したのか。その男の年齢は60代で、土木関係の仕事をしており、女性が襲われたときのトラブルの対処法をよく知っている人だと地元の人間が話しているが、どんな人間なのか。ともあれ、彼女から相当な信頼があったことは間違いない。事件発生から1時間で警察に通報。それまでに医師の診断書が揃っていたというから、見事な早業である。

   示談はしたとしても、なぜ裕太サイドの「無罪」主張を許しているのか。今回の場合は、裕太側が犯罪事実は認めないが、遺憾の意を表明するためにカネを払ったというケースではないかというのだ。それでも<「裕太が『強姦していない』と主張することには違和感があります」(社会部記者)>

   豪腕弁護士が示談金で相手を黙らせ、示談が成立したのだから「致傷」で公判維持は難しいですよと水面下で検察サイドに伝えて、不起訴にさせたのではないかというのが、女性セブンの読みのようだ。

   件の彼女は10日後に開かれたパーティーに参加して、記念撮影では「イェーイ」とピースサインを出していたそうだ。その写真を見た記者は<赤と黒を配したノースリーブのドレス姿の彼女は、なるほど30代にしか見えない美しい女性だった>

   女性誌の取材力畏るべしである。男性週刊誌は恥ずかしいよ。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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