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『青春の門』23年ぶりに復活した週刊現代
ところで、あの「シンスケしゃん」が帰ってきた。週刊現代で五木寛之の『青春の門』が23年ぶりに復活したのだ。
連載の最初は1969年。九州・筑豊で生まれた伊吹信介の少年時代。早稲田大学に進学してからの青春時代は私の青春と重なる。
連載開始から話題になり、現代版『人生劇場』(尾崎士郎)として多くの若者に熱狂的に受け入れられ、現代の部数が数万部伸びたといわれた。
75年に封切りされた映画『青春の門』で、吉永小百合が大胆な自慰シーンを演じ、われわれサユリストの感涙を誘った。
だが、90年の「挑戦篇」で一旦途切れる。しばらく間が空くが、93年に「風雲篇」が再開され、伊吹信介がシベリアへ密航するところで途切れてしまう。
その93年は、私が週刊現代編集長の時だった。五木さんに呼ばれて旧東京プリンスホテルで会う。五木さんから連載を再開したいと思うと打ち明けられ、もちろん二つ返事で引き受けた。 再開したが、シベリア以降の信介がどう生きていくのか、五木さんにも迷いのようなものがあったのではないか。
しばらく続けたが、やはり五木さんのほうから、中断したいと申し入れがあった。
私はその時点で『青春の門』は終わったと、正直思った。
だが、84歳になった五木寛之が23年ぶりに『青春の門』を再開するというのだ。
間違いなく、これが最後の連載になる。第一回は、ソ連製の四輪駆動が夏の終わりのシベリアを疾走するシーンから始まる。
1961年。ソ連のフルシチョフとアメリカのケネディが注目を集めていた時代。
団塊世代の「人生劇場」がどのような結末を迎えるのか、それとも未完で終わるのか。あの時代を思い出しながら読んでいきたいと思っている。