2024年 4月 28日 (日)

ブームの陰で「アニメ地獄」制作現場は低賃金、長時間労働、使い捨て・・・

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   「君の名は。」などのヒットで活況を呈しているアニメ業界の市場規模は、昨年(2016年)、2兆円を超えた。しかし、人気を支える現場の若い担い手たちに、低賃金、時間外労働が常態化している。

   制作に多額の費用が掛かるアニメ作品は、テレビ局、映画会社、出版社、広告代理店などが共同で出費して制作委員会を立ち上げ、制作会社に作品を委託する。作品の版権は委員会に所属し、売り上げの大半を占める関連商品や海外への販売など二次使用による利益もすべて出資した企業に入る。どんなにヒットしても、制作会社や下請け会社、アニメーターにはほとんど還元されない仕組みになっており、制作会社の4社に1社は赤字経営という。

アニメーターへの支払い「原画1枚たった200円です」

   そのしわ寄せは現場の制作担い手たちにくる。アニメ制作を下請けしている「イングレッサ」(大阪・吹田)の吉本拓二代表によると、30分のアニメ作品をつくるには3000枚以上の絵が必要で、最近は繊細さが求められるため1枚にかかる作業時間は増えているが、アニメーターに支払われるのは原画1枚約200円、作業が早い人でも1日20枚が限界だ。

   「求められクォリティー、それに見合った予算や単価付けをしてもらえれば普通に食べていけます。そこが追い付いてきていない。単価以上の仕事をこなしていることが多いですね」

   日本アニメーション演出協会は「アニメーション制作者実態調査」を行い、4割近くが最低賃金の補償もないフリーランスで、正社員はわずか15%。アニメーターの平均年収は110万円、業界全体でも333万円で、全産業の平均年収(487.5万円)を大きく下回っていることが明らかになった。

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