2024年 4月 26日 (金)

日ごとに評価落とす小池・希望の党代表 出馬めぐる優柔不断

米朝が接触する可能性

   ところで米ネバダ州ラスベガスで起きた銃乱射事件で、60人近くが死亡し500人以上がケガをした。

   犯人は自殺していて、動機などはまだはっきりしないが、この事件にイスラム国が関与していなくても、明らかなテロ事件である。

   銃規制に反対のトランプ大統領は、史上最悪の銃による「虐殺」事件が起こっても、規制に関して何もいわない。

   レーガンのように、自分が狙撃されなければブレイディ法(事件で半身不随になった大統領補佐官の名を付けた銃規制法)をつくることさえ考えることもないのだろう。

   北朝鮮に動きが出てきたと読売新聞(10月5日付)が小さく報じている。北朝鮮外務省で対米交渉を担当する人間が、モスクワで19日から開かれる核不拡散に関する国際会議に招待され、クリントン、オバマ時代に北朝鮮問題を担当した元国務次官も出席するそうだ。「ロシア側の仲介で米朝両国が接触する可能性がある」(読売)

   だが、北朝鮮側が話し合える相手だと唯一考えているティラーソン国務長官が今夏、トランプとの外交政策の違いで辞任を検討したと報じられている。

   ティラーソンは異例の会見を開いて否定したが、北朝鮮との対話を主張する彼と、時間の無駄だと否定するトランプとの間で齟齬が生じていることは間違いないようである。

   朝鮮労働党創建記念日である10月10日に、金正恩が何かやるのではないかという見方が強くある。

   週刊現代は近藤大介編集次長の北朝鮮労働党幹部インタビューを掲載しているが、その中でトランプに対して怒りをあらわにしている。

   「トランプが国連総会で行った、あの憎むべき演説で、すべてが変わった。あの演説は、わが国に対する『宣戦布告』に等しい。あの日を機に平壌は、もはや米帝との戦争しか道はないという雰囲気に一変した」

   具体的に、トランプ大統領の国連演説のどの部分が「宣戦布告」と思わしめたのか?「それは2点ある。第一に、元帥様の声明の通りだ。すなわち、『わが国の完全破壊という、歴代のどのアメリカ大統領の口からも聞いたことがない、前代未聞の無知蒙昧かつ狂人的な言葉を吐き続けた』ことだ。

   もう一つは、(23日に)李容浩外相が国連総会の演説で述べたように、『わが国家の最高尊厳(金正恩委員長)を、ロケットになぞらえて冒?した』ことだ。このような最高尊厳に対する冒?も、これまで歴代のどのアメリカ大統領の口からも、聞いたことがない。

   金正恩委員長がいう「超強硬的対応措置」とはどういうことか?

   「それは李容浩外相が、(22日に)ニューヨークで発言しているではないか。『過去最大の水爆実験を太平洋上で行うことになる』と。李外相の発言の通りだ」

   この最大規模の水爆実験は、今年中か?

   「水爆は、ロケットに搭載して太平洋上に飛ばす。わが国が、核を搭載したロケットを長距離飛ばせることを、米帝と世界に示す。

   この最大規模の水爆実験は、正々堂々と行う。わが国のしかるべき場所にロケットの発射台を設けて、発射の準備を進める。(ロンドンにある) 国際海事機関にも、ロケットを発射する期間と区域を、きちんと申告する」

   太平洋上とは、どこになるのか?  8月9日、朝鮮中央通信は、「日本の島根県、広島県、高知県の上空を通過して、グアムまで到達する中距離弾道ミサイル4発を、(アメリカ領)グアムに向けて発射する計画を立てる」と発表しているが?

   「われわれの目標は、アメリカ本土まで到達する核ロケットを、実戦配備することだ」

   首脳同士の汚い言葉の投げ合いが、一発の銃声につながり、戦争への端緒を開くことがあることは歴史が証明している。

   ニューズウイーク日本版によると、1969年4月に、朝鮮半島沖を飛んでいた米軍の偵察機が北朝鮮のミグ戦闘機に撃墜され、乗員31人が死亡した事件が起きた。その時、ニクソン大統領とキッシンジャーが、それへの対応策を検討した概要が公開されているという。

   その際、核兵器を使って一挙に北朝鮮を壊滅させない限り、「ほぼ、確実に韓国と日本、そして域内に展開する米軍に対する報復攻撃を招く」。そしてニクソンは核兵器を使わず、キッシンジャーの意見に従って「何もしなかった」。今度の結論も48年前と大差ないかもしれないという。

   だが、トランプにはキッシンジャーがいない。そのことが最大の危機ではないか。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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