2018年 5月 21日 (月)

基地という最大の争点を隠した名護市長選 共謀罪・安保法制から続く与党の「国民だまし選挙」の総仕上げか

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   「反対しても、基地の工事は進んでしまう」という現実論が重く響く結果になった。沖縄県名護市長選(2018年2月4日投開票)は、辺野古基地反対を訴えた現職を、自民・公明の与党が推した新人候補が3000票以上の大差をつけて破った。沖縄の、それも辺野古基地の建設予定地を抱える名護市の選挙といえば、基地の是非が争点と誰しも思うが、何が勝敗を分けたのか。そこには基地問題を避ける争点隠しが露骨に行われていた。

   これはもう、なにも沖縄に限ったことではない。選挙のたびに、熱い論争になりそうな問題はクールに避けて得票を逃がさない与党陣営の常とう手段だ。巧妙なやり方がすっかり定着した選挙でもあった。

公明が推薦を決めた条件は「基地問題をはっきり言わない」

   現職の稲嶺進氏には2期8年の市政で基地反対を訴えながら、辺野古の工事を止められなかったという危機感があった。「向かい風の中、絶対にとめなければ」と。

   その市長選では、基地反対の翁長雄志知事が連日のように稲嶺氏応援に入った。知事は「辺野古基地ができ上がったら将来はない」とまで強調した。

   昨年(2917年)12月、普天間基地の米軍ヘリが隣接する小学校の校庭に窓枠を落下させる事故があった。名護市長選前の1か月で3度も米軍ヘリが県内で救急着陸した。「こんな状況をいつまでも許せない」というのが基地反対陣営の主張だ。

   新人の渡具知武豊氏は政府与党の全面的な応援を受けた。渡具知氏は長年、自民党会派の市議として基地受け入れ容認を明確にしてきたが、実はこのためにかえって自民党本部から擁立に難色を示されていた。沖縄では基地容認候補が連敗してきたからだ。

   とくに公明党県本部が長く、基地反対を少なくとも表面上は打ち出してきたことが大きかった。前回の市長選では、公明党は自主投票に回り、自民党推薦候補が4000票の大差で敗れた。

   今回、公明党県本部が渡具知氏推薦を決めるまでには水面下の調整があり、「基地移設に賛成・反対を明確にしないことにした」という。

   選挙陣営の内部文書には「NGワードは基地移設」「辺野古のへの字もいわない」とある。基地論争の土俵に上がらないことが申し合わされた。完全な争点外しだ。こうして、沖縄で「基地問題なしの選挙」「辺野古に触れない選挙」が仕組まれた。

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