「九州南部豪雨」ほとんどの人が逃げなかった鹿児島全市避難!エリア広すぎて危機感伝わらず
九州を襲った記録的な大雨で、鹿児島市は市内全域の住民59万人に避難指示を出した。しかし、ネットには「どこに避難すればいいんだ」「仕事休めるかと言えば、ノーだよ」などの声も少なくなかった。鹿児島市の担当者は「危ないと思った人は避難してほしいということで、市民一人ひとりに危機感を持ってほしかった」と話す。
妊娠9か月の女性は、2歳の子どもを連れて大雨の中を避難所についたときには、すでに人がいっぱいで入れなかった。別の避難所に回ったが、崖の近くで安心できず、「ここよりは」と、結局、自宅に戻った。
人があふれる避難所に入るのをあきらめて、車の中で寝た人もいる。避難所の状態までは「情報が入ってきません」とこの人は話していた。
「油断していて、雨が一番強いときに動いてしまった」
18人のお年寄りがいるグループホームの担当者には難しい選択だった。いっぺんに動かせないうえに、全員が認知症。何人かずつに分けて避難するうちに、いつもとは違う症状が出る可能性もある。「避難指示はわかっていたが、いかに落ち着いてもらうかが一番大変でした」という。ホームの場所が川や崖から離れていることも考えて、動かないことにした。
共働きで、自宅に小学生と中学生の子どもをおいて職場にいた女性は、子どもたちに電話したときは「避難のことを深く考えてはいませんでした。自宅が水につかることはないと思っていたので、そう言ってしまいました」と話す。
しかし、雨が降り続くとともに心配になり、自宅に戻ったときには近くの川の水位が上がっており、夫と合流して避難を始めた。「結局、雨が一番強い時間帯に動いていました。こわかった」という。