2024年 4月 20日 (土)

進次郎起用で安倍「したたか計算」評判良ければ政権にプラス。悪評でも首相候補がまた一人いなくなるだけ

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   堕ちた偶像。人間の評価というものは不思議なものである。あれだけ総理候補と騒がれていた小泉進次郎が、滝川クリステルとのデキ婚以来、次々に女性問題が明るみに出て、"好き者"イメージが定着してしまった。

   安倍首相の大嫌いな石破茂を2回の総裁選で推していたはずなのに、安倍首相に入閣を囁かれると尻尾を振って受け、彼には"節操"もないことが満天下に知られてしまった。

   早速、週刊文春は、「進次郎裏切り」と特集を組んだ。週刊文春によれば、安倍の入閣の打診に、進次郎は「頑張ります!」と明るい声で応じたという。子どもが生まれたら「育休をとる」とイクメン宣言したため、入閣すればできるはずはないから、今回は誘われても入閣は断るというサインではないかと報じたメディアもあったが、赤っ恥誤報だった。選択的夫婦別姓も一時は考えたなどともいったが、単なる思い付きのようである。

   週刊新潮によれば、あれほど石破を推した進次郎のことを、安倍は許していないという。だが、韓国への強硬策などで支持率が安定しているため、入閣させても以前のように注目されないと考えたそうである。

   私も、今回の入閣人事は、残っている大臣候補たちの救済策で、その中に進次郎も入れてやろうかという程度のものだと思う。なぜなら、環境相というのは、「最も軽量官庁」(環境大臣経験者=週刊文春)だからだ。

   そのうえ、原子力防災担当相も兼ねる。父・純一郎はゴリゴリの原発廃止論者である。さらに前任者が「原発の処理水は海洋放出しかない」と捨て台詞を残して辞めた。安倍の周辺はこれで進めたいが、当然ながら福島の漁連は猛反対し、世論もこれを後押ししている。

   一つ間違えれば、総理候補どころではなく、陣笠に転がり落ちる可能性もある。<「小泉氏が成功すれば政権にプラス。失敗しても、首相候補から脱落するだけ。安倍首相にとって痛くも痒くもない」(自民党幹部)>

   進次郎は安倍の術中にまんまとはまったのかもしれない。

   当初、ファーストレディへの切符を手に入れたと騒がれた滝クリにも、厳しい視線が注がれている。女性セブンは、地元後援会関係者のこんな声を伝えている。

   <「"私らしく"生きると宣言するのは自由ですが、夫の地元である横須賀に住まず、披露宴もなく、結婚報告もロクにない。政治家の妻としては筋が通らないことだらけで、後援者からは、『なんのために彼女と結婚したのか』と失意の声が上がっています」>

   女性セブンは、同じ青山学院大出身で、やはりデキ婚だったが、たった4年で小泉純一郎と離婚した元妻・佳代子の"肉声"を伝えている。佳代子の知人によれば、滝クリに対しては、「無理することはないけど、はじめはきちんと頑張ってみた方がいい。そして自分の居場所、仕事を大切にしていった方がいい、。自分のように失敗してはダメだ」といっているそうだ。

   進次郎とは会っていないが、テレビや新聞が近況を知らせてくれるから、寂しくないと話しているという。進次郎は、実母と暮らしている三男は結婚式に呼んだようだが、母親は招いていない。父・純一郎と似て冷たいところがあるのかもしれない。そうした彼の一面が、総理を目指す進次郎の躓きの一因になるかもしれない。

   不良在庫一掃内閣と揶揄される新閣僚には、失言、放言、暴言の候補者がズラッといるが、やはり最右翼は、初入閣ながら五輪担当相になった橋本聖子だろう。週刊文春のグラビアに、ソチ五輪の打ち上げで、当時は日本選手団団長だった橋本が、酒に酔ってフィギュアスケートの高橋大輔に抱きつき、キスを強要した時の写真が載っている。

   明らかに高橋は嫌がっている。いずれにしても、この内閣、安倍のレイムダック化を早めることは間違いないだろう。

「週刊ポスト」一転!今週は嫌韓派がガックリ肩落とす当たり前すぎる日韓特集

   嫌韓を煽ると激しい批判を浴びた週刊ポストだが、今週号は何をやってくるのか注目された。新潮45のように、「嫌韓で何が悪い」と開き直るのか、「反省」するのか。「韓国の『反日』を膨らませた日本の『親韓政治家』たち」というのが、今週の巻頭特集である。

   その中で、先に発表した「お詫び」も掲載している。内容は、河野一郎、岸信介、佐藤栄作など親韓といわれた政治家たちは、「その場限りの利権や贖罪のための友好」(週刊ポスト)だったため、政治家同士による真の友好関係が成り立っていなかったとし、<安倍首相と文大統領の双方が彼我の外交政策を振り返り、両国の関係を見直すことに気づいてこそ、新たな外交が始まる>と、先週とはガラッと変わって、嫌韓派が肩を落とすような至極真っ当な内容である。

   月刊「Hanada」の花田紀凱編集長に「ポストは日和った」と叱られるぞ。

   週刊ポストは、あのように激しく批判されたから、こういう特集を組んできたのだろうか。そうでないなら、なぜ、あのような中途半端な嫌韓特集をやったのだろう。私には理解できない。

   ライバル誌の週刊現代も"不穏"な動きがあると先日耳にした。月2回刊、隔週刊化を考えているというのである。ついにそこまでやるかと、思わざるを得ない。まあ、今の内容では週刊誌である必要もないだろうが。

   10月からは、消費税アップ分を入れて平週号が520円になるそうだ。一層売れなくなることは間違いない。悪循環である。週刊現代は消滅の危機にある。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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