2020年 8月 7日 (金)

進次郎起用で安倍「したたか計算」評判良ければ政権にプラス。悪評でも首相候補がまた一人いなくなるだけ

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週刊文春には珍しい「奥歯にもの挟まった記事」国家安全保障局長に就任した北村滋批判らしいが・・・

   週刊文春に不可解な記事がある。内閣改造に伴って、安倍の肝いりで発足した「国家安全保障局(NSS)」の局長が、元外務次官の谷内正太郎から北村滋(62)に交代した。NSSは国家安全保障に関する重要事項および重大緊急事態への対処を審議するところで、これまでは外務省と防衛省が中枢を占めていたが、北村は警察庁出身で、内閣情報調査室(内調)のトップだった。

   北村は32歳で元富士署長になった。安倍の父親・晋太郎が順天堂大学病院に入院していて、北村の管轄だったため、当時秘書をしていた晋三と知り合った。病身を押して政治活動に執念を燃やした父親の面倒を、北村がなにくれとなく見てくれたため、安倍は北村に感謝の念を抱いたというのである。

   そんな縁があり、第一次安倍内閣の時に首相秘書官に登用され、とんとん拍子に出世し、内調のトップに7年半座り続けたのである。

   と、ここまでは安倍の好きな依怙贔屓人事だと理解できる。ところが、記事の冒頭に、2015年の7月28日早朝、切迫した声で北村から「怪しい人物に尾行されている。今も家の前にいる」という電話が、目黒署に入ったという場面がある。署員が駆け付けると、3人の男がいて、職質に答えて、「東京証券取引所調査部」という名刺を出したというが、この名刺は偽で、そんな人物はいなかったというのである。

   これが何を意味するのか、読み進めてもよくわからない。元警察庁長官が証券取引所を傘下に持つグループの社外取締役を務めていて、その背景には警察内部の権力闘争が――と北村は話したようだが、当人は完全否定している。記事中に写真が一葉あり、腕まくりをしている北村が写っている。そのキャプションが、「03年、徳島県警本部長時代にアルコール体質検査を受ける北村氏」とあるが、記事にはそれと関連する記述はない。

   さらに、北村が安倍の密命を帯びて、昨年7月にベトナムで北朝鮮の金統一戦略室長と極秘に接触したが、一般旅券で移動したため、容易に痕跡が捕捉されて、アメリカのワシントン・ポスト紙にスクープされたというエピソードがある。北村の危機管理能力の欠如を批判しているようだが、この特集全体で何をいおうとしているのかよくわからない。週刊文春にしては珍しい記事である。

   「外務省のみならず、出身母体の警察からも不安の声が上がる人物を抜擢した安倍首相」(週刊文春)に問題があるし、北村という人間にも、国家の安全保障を扱うにしては一抹の不安があることはわかる。なんだか奥歯にものが挟まったような週刊文春の書き方にも、不満が残るのである。(文中敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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