2019年 12月 6日 (金)

<孤独のグルメ SEASON8>(テレビ東京系)
美味しそうな匂いもしてくる「夜食テロ」の草分け!映像に頼らない井之頭五郎の文学的語りの魅力

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   「夜食テロ」という言葉を生みだした深夜帯のグルメドラマの先駆けで、全シーズンを見ている筆者だが、どうしてこうもこのドラマは人を飽きさせないのか。追随する他のグルメドラマと何が違うのかに注目して、きょうは見てみることに。

   この日は横浜中華街。商談を終えて空腹になった井之頭五郎(松重豊)は、入る店を探すが、香港、上海、台湾、北京・・・、店のバリエーションの多さと数に面食らい、決められない。と、「釜飯」の看板を見つけた。

   横浜中華街という王道グルメ街からのスタートはいかにも初回らしいが、あえて中華釜飯という変わり種に挑戦してみるというのは、さすがシーズン8まで続く人気番組、余裕が感じられる。観ているこちらは、「それって本当に美味しいの」と新鮮な気持ちでハラハラドキドキだ。

中年男性が店の片隅で静かに味わうリアル感

   「平日のランチにいくら払うんだ?」とこちらが心配になるくらい、惜しみなく注文するスタイルはそのまま。アヒルのパリパリ揚げ、海老雲?麺、腸詰め干し肉貝柱釜飯を頼んだ五郎(お会計は4710円!)は、アヒルのパリパリ揚げを「劇的にハオツーですよ」とむしゃむしゃ食べる。しかし、演出は決して派手ではない。あくまで一人の中年男性が、店の片隅で静かに味わう限りなくリアルに近い姿だ。

   料理を口に運ぶごとに五郎の「語り」はどんどんヒートアップしていく。しずる感のある料理の映像は、あくまで最小限で、このドラマが他のグルメドラマと一線を画すのは、その語りのうまさにある。

   「雲?って漢字で雲を呑むと書くが、これは雲を咀嚼する雲?だ」「あまりのうまさに、俺の頭の中で春節の爆竹が破裂しまくっている」など、映像世界なのに、映像では表現しきれない、ある種、文学的な語りが視聴者の想像力を余計にかき立てる。映像以上の美味しさを味わえてしまう。

   五郎が口にする料理は、実在する店のメニューだから、視聴者もいざとなれば食べに行ける。このフィクションとノンフィクションの境界が絶妙なのもこのドラマならではの魅力だろう。

   初回とあってか、ゲスト出演者も八嶋智人(五郎の商談相手の占い師)、榊原郁恵(五郎が入った店のお母さん)、佐々木主浩(店の常連客)といつもより豪華で、これもヘビー視聴者としては嬉しいサプライズ。シーズン8も引き続き必ず観させていただきマス!(10月4日深夜0時12分~ ※地域によって放送時間は異なる)

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