2024年 4月 18日 (木)

東北新社の子会社・囲碁将棋チャンネルの"特別待遇"が総務省「違法接待疑惑」のカギか? コロナワクチン接種のスケジュールが大幅に遅れる!

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   ショックだった。昨日(2月24日)の朝、テレビを付けた瞬間「タイガー・ウッズ」の名前が目に飛び込んできた。83勝目を挙げたのかと思った。

   だが、写っているのは大破したSUV。ナレーターがロスアンジェルスの郊外を走行中、スピードの出し過ぎで中央分離帯を乗り越え、タイガーは重傷を負ったと伝えていた。

   「バカヤロー」とテレビに吠えた。深刻な腰痛を抱えながらも2019年にマスターズを制覇し、ZOZOチャンピオンシップで最多タイの82勝目を挙げた。あと1勝挙げればプロゴルフ史上不滅の大記録になる。

   そんな大事を控えているのに何とバカなことを。命はとりとめたが、「右足脛骨と腓骨にはプレートが入り、足首はボルトとピンで固定されている」(日刊スポーツ2月25日付)状態だという。

   45歳という年齢を考えると、選手生命を絶たれたといってもいいのではないか。いや、あのタイガーならまた奇跡のカムバックをしてくれるのではないか。心は千々に乱れる。

   杖をついても車椅子に乗っても、再びグリーンにタイガーが戻ってくれる日を見たい。

山田真貴子内閣広報官は「飲み会を断わらない女」

   さて、文春がスクープした菅首相の長男・正剛が所属している「東北新社」の"違法接待"疑惑が広がり続けている。

   菅政権が誕生すると同時に内閣広報官に抜擢した山田真貴子(60)も、総務省にいた時の2019年11月に、正剛らから接待を受けていたことが発覚した。

   山田は当初、「記憶がない」と否定していたが、一人分で7万4203円という高額なものだったことが判明して、2月25日に衆院予算委員会に参考人として呼ばれた。

   山田は酒、特にワインに造詣が深く、総務省時代は「飲み会を断わらない女」として知られていたそうだ。

   立憲民主党の今井雅人が、「会食に行った時に長男がいると認識していたのか」と質すと、

   「山田氏は『私自身、仕事、プライベートでも、お会いする方がどういった方のご子息であるかとかは、あまりお付き合いに関係がないと思っている』と強調。長男の同席について『私にとって大きな事実だったかというと、必ずしもそうではないのではないかと思う』と反論した」(朝日新聞DIGITAL2月25日 11時35分)

   正剛は総務官僚を次々接待漬けにしているから、山田が知らないはずはない。だが菅の寵愛を一身に受けている"美人"だからか、強気である。

   文春によれば、山田は20代で銀行員の男性と結婚したが、離婚。すぐに省の3年後輩の吉田博史と再婚している。今回の不祥事で秋本芳徳が左遷されたため、後任に夫の吉田が情報流通行政局長になったという。

   山田と、次官候補だった谷脇康彦総務審議官の接待には、「東北新社」の代表取締役社長・二宮清隆が出席していたという。2人が特別待遇なのは、

   「片や内閣広報官、片や総務審議官として、携帯料金値下げやNHK改革など総務省が所管する改革の『両輪』となってきた」(文春)からだという。

   今のところ、総務省の幹部ら13人が、「東北新社」側から延べ39回に及ぶ接待を受けていたといわれる。

   総務相のいうように「放送行政が歪められたことはない」と認定されれば、甘い処分で終わりかねない。だが文春によれば、秋本芳徳情報流通行政局長と正剛らの会話の中に出てくる、「うちの岡本さんの面倒を見てもらっているみたいで......すみません」というのがキーワードになるというのである。

   岡本とは「一一年から一八年三月まで約七年間、東北新社の子会社である囲碁将棋チャンネルの社長を務めた岡本光正氏」(文春)で、親会社の常務も一時期務めていた。現在は業界団体である衛星放送協会の専務理事だそうだ。

   岡本が社長になった翌年、総務省は囲碁将棋チャンネルを3.2スロットで認定している。さらに、新社グループが運営する番組をハイビジョンで認定したため、「東北新社はかなりの帯域を取り、業界では話題になりました」(協会の元理事)。なぜなら、ハイビジョン放送は16スロットル以上ないと画質が粗くなってしまうからだという。

   18年には囲碁・将棋がCS放送業務として認定されたが、ここだけがハイビジョン未対応だったというのである。これが事実なら明らかに行政が歪められたのではないか。ここの現在の取締役の一人が正剛だ。

   功労があった岡本だが、協会専務理事の任期が今年の6月で切れるという。「総務省が岡本氏に何らかポジションを与えるという話があったのではないか」(東北新社の元取締役)

   国会に呼ばれた総務省の面々は、「東北新社が利害関係者だとは思わなかった」ととぼけたことを抜かしているが、知らなかったはずはない。

   文春によれば、市民団体が贈賄罪で正剛らを、収賄罪で総務省幹部らを検察に告発する動きが出ているそうだ。菅を脅えさせている長男の「違法接待疑惑」は、政権にとって致命傷になる可能性が出てきた。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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