2021年 4月 15日 (木)

一族の面倒を見る菅首相の"家族愛"の深さ、長男に株を贈与した訳 「森会長はボケているから」と五輪人事仕切る電通幹部

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   「菅家の人々」という小説が書けそうだ。家長である菅義偉の庇護の下、実弟や長男がどんなに挫折しても、自分の人脈とカネを使って、どこまでも面倒を見る"一心同体"一家の心温まる物語は、読む者の心を打つのではないか。

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   横浜駅南口構内に喫茶店Xというのがある。開店は2012年3月。ここに時々現れるのがオーナーで、菅の長男・正剛だと文春が報じている。

   この店はキャラバンコーヒーが駅構内に喫茶店を出すにあたり1982年に設立した子会社ステーションキャラバンの所有で、当時、菅義偉は小此木彦三郎代議士の秘書だった。

   菅は国鉄や相模鉄道に顔が利いたため、ステーションの株を持ってもらったほうが駅ナカへの出店が通りやすいとキャラバン側が考え、菅に1万株(簿価は500万円)を差し上げたそうだ。したがって菅は大株主である。

   以来30年にわたってこの株を所有し続けてきたのに、12年に菅から「株を息子に渡したい」といわれ、正剛が引き継いだという。自民党が政権に復帰し、菅が官房長官になる直前のことだったそうである。

   なぜ菅は株の処分を急いだのだろう。文春によれば、07年に、自分が代表を務めている自民党第二選挙区支部と後援会が、菅が所有しているビルに「主たる事務所」を置きながら、05年分の政治資金報告書に約1956万円の事務所費を計上していたことが明るみに出てしまった。

   そのため「政治資金の一部がみずからの資産形成に使われた」と批判され、官房長官に横滑りするはずがダメになってしまった。そのことが、菅をして「身辺の断捨離」に向かわせたのではないかというのである。

   正剛が、菅の秘書を経て東北新社に入ったことは説明を要しないだろう。しかし、彼が父親から渡された株には「贈与税」がつくから、もし払っていなかったとすれば脱税になる。

破産した弟をJR東日本の子会社に押し込む

   三歳下の実弟・秀介にも菅は救いの手を差し伸べている。繊維商社グンゼ産業を15年務めた後に脱サラして、菓子販売業を始めた。東京駅構内の一等地に出店したが、これも菅の"威光"があったからであろう。

   総務省は菅の天領とまでいわれるが、政務官を務めて以来、国交省にも強い影響力を持っているのである。

   瞬く間に事業は軌道に乗り、年間売り上げは1億円を突破した。だが派手な生活と離婚、銀座のホステスと再婚するなどの放漫経営で、02年10月には秀介が破産宣告を受けてしまう。

   だが持つべきものは兄。半年後にはJR東日本の子会社に部付部長として入社し、その後取締役にまでなったという。

   菅という政治家、自分と意見の違う者は容赦なく切るが、一方で陳情には耳を傾け、メモを取り、「明日、誰々から連絡させます」というと、必ずその人間から電話が来るそうだ。

   「"断らない男"だから総理になれた」(菅を知る国会議員)。アメとムチの使い方を心得ているのである。

   正剛について菅は、「長男とは家計も別にしている。自分の政治活動とはまったく関係ない別人格」といってきた。だが、今回浮かび上がった鉄道会社から菅への政治献金、ファミリーへの特別待遇は、「自助、共助、公助を掲げてきた菅氏は、その政治力を使って、自らの家族に"公助"を与えてきたのではないか」(文春)。汚れちまった言葉だが、菅首相は説明責任を果たすべきこと、いうまでもない。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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