2024年 4月 19日 (金)

「ゆうちょ銀」と提携狙う? HSBC参入にざわつく金融界

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   香港上海銀行を傘下に持つ欧州最大の金融グループ、HSBCが2008年1月から日本で個人業務に参入するが、ターゲットを「預り資産1,000万円以上」の「マス富裕層」としたことが金融界で波紋を広げている。

   HSBCは「マス富裕層が首都圏と関西圏で約650万人いる」と市場の大きさを強調しているが、単独ではそんなに多くの顧客を捌けるとは思えないからだ。このため金融界では「今回の個人業務への本格参入は、かねてから噂されてきたりそなグループや地銀買収、10月1日からの郵政民営化で誕生する『ゆうちょ銀行』との提携などを狙う布石ではないか」(大手行幹部)との観測が上がっている。

   欧米で言う「富裕層」の定義は一般的には預り資産が最低でも10億円以上の顧客。HSBCも欧州各国や米市場ではこの定義に沿って業務を運営している。それが、今回、HSBCは日本では「1,000万円以上」と100分の1に預り資産の水準を下げ、大量退職を迎える団塊世代の取り込みまでも狙う「日本モデル」を作った。具体的には、08年1月に東京と大阪に「HSBCプレミアセンター」を開設。顧客ごとに専門担当者「リレーションシップマネジャー」が付いて、顧客の資産運用にきめ細かに相談に乗り、外貨預金や投資信託、変額年金保険などニーズにあった金融商品を提供するという。

1,000万円以上という広い層を標的にしたのは意外

HSBC参入の波紋が広がっている
HSBC参入の波紋が広がっている

   メガバンクのある幹部は「ヒルズ族などスーパーリッチでなく、1,000万円以上という広い層をターゲットにしてきたのは意外。HSBC単独では顧客獲得に限界があり、我々の大きな脅威にはならないが・・・」と語る。英ロンドンに本拠を置き、総資産約2兆ドル(230兆円)、世界83カ国・地域で1万店超の金融サービス網を展開するHSBCグループだけに資金は潤沢。1500兆円にのぼる日本の個人金融資産マーケットへの「黒船」参入では、すでに米シティグループが、従来のスーパーリッチ対象のプライベートバンクサービス路線を転換し、「預り資産1,000万円以上のマス富裕層を狙う」として、1兆円近くを投じて、3大証券の一角、日興コーディアルグループを子会社化している。それだけに、金融界では「HSBCが今後、どこを買うのか。関心を持たずにはいられない」(大手証券幹部)との声が広がっている。

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