ヤフー、グーグルなどの検索サイトから歌うバーチャルアイドル「初音ミク」の画像が2007年10月17日深夜に一斉に消去された、とネットで大騒ぎになっている。「2ちゃんねる」ではスレッドが30本を超える盛大な「祭り」になっていて、大手広告会社の陰謀説や、テレビ局、大手芸能プロダクションも関係しているのではないか、などという議論が繰り広げられている。しかし、実は「ミクの画像は、検索対象に入っていなかった」、つまり、検索が間に合わなかった、ということになりそうな様相だ。外部からの削除依頼の圧力はない「2ちゃんねる」では「陰謀説」。スレッドが30本以上の「祭り」になっている07年10月19日の午後5時に、ヤフーのトップページにある「画像」をクリックし、熱狂的な人気となっているバーチャルアイドル「初音ミク」で検索すると、「次の条件に一致する情報は見つかりませんでした」という表示が出て、「ミク」の画像は一つも現れない。同じくグーグルの「画像」で試してみると、いくつか画像が表示されるのだが、誰もが知っている「ミク」の画像はない。なぜ突然なくなってしまったのか、とネットで大騒ぎになりネットメディアも動き出した。メディアは「ミク」を作ったメーカーのクリプトン・フューチャー・メディアを直撃。「画像の削除依頼をしたのか?」という質問をし、「一切そんなことはしていない」という回答から、今度はヤフー、グーグルなどの検索サイトに「外部からの削除依頼の圧力はあったのか?」などという質問を繰り返した。サイト側の答えとしては「No!」ばかりだった。「2ちゃんねる」ではスレッドが30本以上も立ち、「陰謀説」が渦巻いている。初音ミクは日本の音楽業界に革命を起こすキラーソフトだとし、「これ大事件だろ?情報規制か?社会主義国家みたいだ」「なんだこりゃ・・・マジで怖いここ、日本だよな?」「情報操作までして無かったモノにしたい人間は沢山いるでしょうなあwしかし!!ミクは負けない!!!2ちゃんねらー有志は負けない!!!!これは聖戦だ!!!!!!!!!」などというカキコミも出た。「ミク」を削除したのは、広告代理店、テレビ局、芸能プロダクションという説がもっぱらで、これは、別のバーチャルアイドルを売り出しにかかっていて、「ミク」の存在が邪魔になっているため「情報操作」に動いている、というものだった。また、「ミク」の扱い方が酷い、と騒ぎになっていた局が番組の「悪評」を払拭するため、ネットから「ミク」を消して早く視聴者に忘れさせようとしている、などというのが理由だ。ただし、今回大騒ぎになっているのは「画像」の検索欄であって、通常の「検索窓」に文字を打ち込んで検索すると「ミク」の画像が普通に現れるのだ。仮に「陰謀」があったとしても、「画像」検索のみで行われた事になる。実は、古い画像しか検索できない?そうした中、「MSN」のトップページにある「画像」で「ミク」を検索すると、1,653件も画像が出てくる。「MSN」と、他の検索サイトはいったい何が異なっているのか。MSN広報はJ-CASTニュースの取材に対し、「他の検索サイトのことはわかりませんが、当社の場合、07年10月初旬に検索できるURLを4倍に増やしまして、ユーザーの求める情報をより的確に表示できるようになりました」という。画像について他サイトより、新しいものを速く取り込むことができるようになったという。ということは、他のサイトの「画像」は遅いということだ。ネットには、今回の「事件」を検証する「まとめサイト」がいくつも登場していて、その一つ「管理人さんさんのページ」にはこう書かれている。「検索結果に出ない組の画像検索のインデックスは2007年8月31日(『初音ミク』の発売日)以前に収集した画像を検索対象にしているからでしょう(無いものは検索できない)」通常の検索と「画像」検索は同じ仕組みで行われているように思われているが、それぞれ仕組みが別々で、画像の場合は、リンクしてもいい画像なのかの判断が必要になる。そして、多少時間はかかるが、そのうちにヤフーもグーグルも「ミク」が出るようになるだろう、としている。「MSN」に「ミク」の画像が出るのは、10月に更新したからなのだという。そして、「検索結果出せない会社さんは、そこまでのこと(他より古いのしか検索できないこと)は外には言いたくないでしょうね」などと書いている。ホントのところはどうなのか。J-CASTニュースがグーグルに取材すると、「現在調査中です」ということだった。ヤフーは、「外部からの依頼で削除したということは全くありません。削除されたと話題になった17日と、それ以前の検索結果に変化があったかどうかは、現在調査中です」ということだった。
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