2024年 4月 25日 (木)

スピード社水着対抗の新素材 「世界最速」製品化できるのか

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   世界記録続出の英国スピード社の競泳用水着に対抗し、日本のメーカーが提案した水着の新素材が脚光を浴びている。ところが、問題は素材をもとにどう水着をつくるか。近づく北京五輪を前に、日本の競泳関係者は頭を悩ませている。

「日本競泳界の救世主」現れた?

「世界最速」素材を紹介する山本化学工業のサイト
「世界最速」素材を紹介する山本化学工業のサイト
「世界のアスリート400人をベースに型紙をつくり、3~4年かけて開発しています。続々生まれる新記録も証明していますし、自信を持っています」

   日本でスピード社水着のライセンス契約を結んでいるゴールドウィンの担当者は、こう誇らしげに語る。

   スピード社の「レーザーレーサー」は、米航空宇宙局(NASA)の協力で開発し、2008年2月12日に発表された。撥水性が高く、超音波溶着の無縫製を特色とする水着だ。水の抵抗を極限まで減らしたといい、競泳でこれまで35個の世界新記録を出している。

   これに危機感を持っているのが、日本の競泳界だ。日本代表選手数人がスピード社の水着を着用したところ、練習着より25メートルで0.5秒ほど速かったといい、選手からは「ハンディを負ってしまう」などの声が上がったという。日本水泳連盟では5月7日、こうした現場からの意見をもとに、競泳用水着の提供契約を結んでいるミズノ、アシックス、デサントの3社に、同30日までの期限で水着の改良と再提供を依頼した。

   しかし、1か月足らずの期間での改良は、困難が予想された。そこに、「日本競泳界の救世主」として報じられたのが、大阪市の素材メーカーだ。ウェットスーツなどを開発している「山本化学工業」で、その素材を使うとスピード社の水着よりも速い可能性があると報じられた。

   同社によると、この素材「バイオラバースイム=SCSファブリック」では、糸を編む従来素材のニット生地と違い、半球状の気泡をいくつも開けて浮力の出ない構造にした合成ゴムを使った。すると、素材の表面にはまり込んだ水分子の上を、プールの水が滑るがごとく流れるようになった。その水着素材は、氷に限りなく近く、「世界最速」だとしている。

姉妹サイト

注目情報

PR
追悼
J-CASTニュースをフォローして
最新情報をチェック
電子書籍 フジ三太郎とサトウサンペイ 好評発売中