2024年 4月 17日 (水)

混迷のNHK経営委員人事 前代未聞の委員長「空席」事態

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   NHKの最高議決機関である経営委員会委員をめぐる国会同意人事が暗礁に乗り上げた。古森重隆委員長(富士フイルムホールディングス社長)が任期を迎える2008年12月21日で退任すると表明。古森氏とともに任期満了になる3委員の後任として、政府はみずほフィナンシャルグループの前田晃伸社長、大分県由布市(由布院)の有名旅館「玉の湯」の桑野和泉社長、現職2委員の再任を提案したが、民主党など野党は桑野氏には同意したものの、前田氏ら3氏を拒否、参院で否決された。任期切れを迎える4人のうち3人が国会で不同意のまま、前代未聞の空席になるのは必至の情勢だ。

再任の2氏については、「目立つ実績がない」

   現職の古森委員長は石原邦夫前委員長(東京海上ホールディングス会長)が自社の保険金不払い問題などで辞任した後、07年6月にピンチヒッターとして委員に任命され、委員長に就いた。任期は3年だが、前委員長の残る任期を引き継ぐ形で登板したため、12月で任期切れを迎えることになっていた。NHKの次期経営計画で受信料の引き下げに道筋をつけた古森委員長は「委員長としてやれることはやった」と述べ、本業に専念する考えを明らかにした。

   関係者によると、古森氏は安倍晋三元首相に近く、安倍政権に請われて就任しただけに、「支持率が低迷する麻生政権で続投するのは得策でない」と判断し、本業に専念したいというのが本音のようだ。

   古森氏の退任表明を受け、政府が提案したのは前田、桑野両氏のほか、ホームエコノミストの篠崎悦子氏と多賀谷一照千葉大教授の再任2人。民主党は総務部門会議で、前田氏について「NHKの指定金融機関のトップが経営委員に就任するのは指導監督上、好ましくない」などと判断。再任の2氏については、「目立つ実績がない」ことから、不同意とすることを決めた。国会同意の人事案件に反対するのは、今春の日銀総裁人事と同様、自民党への対決姿勢を明確にして政権を揺さぶるのが目的との見方が強い。

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