「老人党」と「若者党」 こうなれば分かりやすい
(インタビュー「若者を棄てない政治」第3回/フリーライター・赤木智弘さん)

2009/8/19 14:55

   バブル崩壊後の就職氷河期に社会に送り出された若者は「ロストジェネレーション」と呼ばれる。終身雇用が当たり前だった団塊世代と違い、派遣社員やフリーターとして不安定な生活を送る者も多い。そんな世代間格差に対して声をあげる若者も出てきた。その代表といえる元フリーターのフリーライター、赤木智弘さん(34歳)は「どの政党も若者支援のビジョンがない」と批判する。

今は現役世代が経済的に弱く、老齢世代が強い力をもっている

「国民全体にいい顔ができるような政策は、たぶんもうできない」という赤木智弘さん
「国民全体にいい顔ができるような政策は、たぶんもうできない」という赤木智弘さん

――今回の衆院選では自民党も民主党も「子育て支援」の政策を打ち出して、若者世代の票を取り込もうとしています。

赤木 子育てをするには経済力が必要ですが、今の若い人は経済的に余裕がないので、子育て支援は当然のことだと思います。しかし、子育て支援だけしても意味がない。子育てもお金がかかりますが、それ以前にお金がなくて結婚できない人もいるわけです。そういう人たちも含めてトータルにサポートしていくことが必要です。

――経済的に余裕がない若者をサポートするために、どんな政策が求められているのでしょうか?

赤木 年金制度の根本的な見直しです。本気で若い人を支援しようとするなら、「子ども手当て」などの場当たり的な政策では不十分です。老齢世代への年金の分配を減らし、若い世代の負担を軽くするべきです。

――なぜそのような見直しが必要なのですか?

赤木 今までの日本社会は経済成長をしていましたから、基本的にインフレベースで、現役世代が強く、老齢になるとそれまで得てきた資産を少しずつ失っていくという構造でした。一人の人の経済状況を山にたとえると、だいたい50代ぐらいに頂上があって、そこから徐々に下がっていく感じ。老齢世代は経済的に弱いから、年金制度で山の上のほうから下のほうへお金を分配する方式になっていたわけです。

――それが今はどうなっているのでしょう?

赤木 今はぐちゃぐちゃです。終身雇用や年功序列が崩れ、非正規雇用も増えた結果、若い現役世代のピークはぐんと下がってなだらかな丘になってしまいました。その一方で、老齢世代は高度経済成長やバブルのときに獲得した資産をまだ溜め込んでいる。つまり、以前とは逆に、現役世代が経済的に弱く、老齢世代が強い力をもっている。それにもかかわらず、いまだに現役世代から老齢世代にお金を分配しようとしているので、低いところにいる若い人たちが苦労しているのです。

(続く)

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