2024年 4月 23日 (火)

ジャージやジーパンで授業 教師の服装「これでいいの」

   教師の恰好がジャージやジーンズというのは、いかがなものか――。こんな問題点を大阪府内の市町村の議会員らでつくる「大阪教育維新を市町村からはじめる会」が、橋下徹知事を交えた懇談会で指摘した。橋下知事も「公務員として働く以上、服装について注意してもいいと思う」と話している。

昔はスラックスにワイシャツかカッターシャツ?

   大阪府の橋下徹知事は2009年9月24日、市町村議会議員らがつくる「大阪教育維新を市町村からはじめる会」の懇談会に出席した。食育と学力をテーマにした懇談会では、教師の服装がジャージやジーパンといった私服に近い恰好をしていることを問題視する意見も出た。橋下知事もこれに賛同したかっこうで、「公務員として働く以上、服装について注意してもいいと思う」と話した。

   会に所属している貝塚市議会議員の田中がくさんは、地域に住む60代男性から、教師の服装に関する話を聞いていたという。――最近は、教師か保護者かの区別がつかなくなってしまった。教師と言えば以前は、スラックスにワイシャツかカッターシャツというのがふつうだったというのに、といった内容だった。

   今回の服装問題を提起した吹田市議会議員の神谷宗幣さんも、教師の服装に疑問を感じた一人だ。ちなみに、神谷さんは以前、福井県で高校教師をつとめていた経歴の持ち主。神谷さんが市内の学校を視察したところ、体育以外の教科の授業でもジャージ姿だったのには驚いたという。自身は小中高ときちんとした身なりの教師に教わったし、自分もスーツを着用して教壇にたっていたというのに、だ。これを見る限り、通勤の時でも同じ恰好ではないのか、と思えてしまう。第一、けじめがないようにも見えた。

   神谷さんは、「教師は勉強を教えるだけではなく、落ち着いた授業の雰囲気を作るべきです。そうすることで、生徒児童たちの学力を高めていけるのではないでしょうか。教師の服装を正した方がいいと思うのも、そのためです」と指摘している。

教師の服装について規定はない

   ネット上ではこの話題に対し、「場面によりけりだが、常にジャージーはやめろ。Tシャツジーンズ位はいいのでは?」「仕事なんだからせめて襟付きは着るべき」「その都度、着替えればいい」「教師も制服にしちゃえよ」といった意見や、反対に「ジャージとかジーンズでいいじゃん。特に小学校の教師は汚れやすいから、ラフな格好のほうがいいぽぃ」「小学校の先生とかスーツだったら仕事にならないだろな」といった書き込みがあった。

   gooニュース畑に寄せられたコメントでは、「教師のジーンズ、ジャージ着用」に賛成するのは41%、反対するのは33%という結果だった。ワイシャツの袖口がチョークの粉で汚れてしまうし、大きな動きをとることも多いためにスーツでは動きづらい。こうしたことから、ジーンズやジャージには合理性もある、と考えている人もいた。

   大阪府教育委員会によると、教師の服装について、規定、ルールを定めているわけではないという。教職員人事課は「仕事をする上での一般的な服装ということでは伝えている。問題がある場合は学校長が指導するようにしている」という。もっとも、「服装の乱れが蔓延しているのであれば、対処などを検討しなくてはならない」と話している。

   一方、前出の吹田市議会議員・神谷さんによると、橋下知事に対しては今回、教師の服装と学力の関係を明らかにする調査を要望したというが、まずは議員らが他府県の状況を調べることになっているそうだ。神谷さんは「知事にとっても(教師の服装と学力の関係が)今までにはなかった視点と言うことで興味を持ってくれたようです」。

   また、貝塚市議会議員・田中がくさんは、こうも話している。

「子どもの学力と朝食の欠食の相関関係は指摘されているところですが、神谷議員の話も聞いて、教師の恰好と学力には、なんらかの関係があるのかもしれない、と思いました。大阪府は学力テストの結果が低迷していますから、もしも学力が上がるのであればやってみようよ。こんな働きかけをしていきたい考えです」
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