原発作業員の過酷な生活 菅首相は「責任をもって保障すべき」

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   福島第一原子力発電所の事故を収拾しようと現場で立ち向かう東京電力の作業員の生活環境があまりに劣悪だ。

   作業員の多くは原発周辺に住んでいる。それでも家には帰れず、家族とも離れて、「ふるさとを守りたい」「自分がやらねば」という強い思いで原発に立ち向かっている。いまや日本の命運を握っている人たちであるにもかかわらず、風呂もシャワーもなく、使いまわしの寝袋で休んでいる状況が長期化。このままでは疲労が蓄積して、ヒューマンエラーによる事故を誘発する恐れがあると、指摘する声があがっている。

「線量計のアラーム鳴りっぱなし」

   原発作業員は、絶えず原発のようすを気にしながら、落ち着いて食事をとることも、風呂やシャワーを浴びることもほとんどない。1時間に1回、目が覚めてしまうという不眠ぎみの人もいる。

   汚染水が漏れていた2号機のタービン建屋に入った作業員は、「(建屋に)入ると、線量計のアラームが鳴りっぱなしだった」と、被爆の怖さを体験。放射線漏れの事態に、加害者意識にさいなまれることもある。

   とにかく作業員は過酷な状況におかれていて、疲労がピークに達し、このままではちょっとした作業ミスが事故を引き起こしかねない。実際に、2011年4月17日には使用済み核燃料の共用プールで約3時間、配電盤の誤操作が原因でプールが冷やせない状態になった。

   こうした事態に、現地で作業員の健康状態を診察した医師で、愛媛大学大学院の谷川武教授は4月21日のTBS系の報道番組「朝ズバッ!」で、「いまは気が張っていることもあって、比較的健康状態はいい。ただ今後、この状態が慢性的になってくるとウツや心臓疾患のリスクが高まってくる」と心配する。

   谷川教授は、約50人の健康状態と、約30人のメンタルチェックを行った。とくに睡眠環境が劣悪で、8人にいびき防止などのため無呼吸治療を施した。ストレスを取り除くことが急務で、風呂やシャワーの必要性やプライベートな空間の確保、専門家による心のケアを訴えている。

「作業員を確保し、しっかり休息を」

   作業員を確保して、しっかりと休息をとらせる――。こうしたことは本来、東京電力がやるべきことだ。しかし、谷川教授は、「いまの東電はそこまで考えられない。だから外部の人間を入れて、必要な対策をきちんと考えるシステムが必要だ」という。

   谷川教授自身、現地での診察は東電の本社からの依頼は受けていないそうだ。

   そして、こう続ける。「日本国憲法は第25条で国民に最低限の文化的な生活を営むことを認めている。これ(作業員の生活)は国が責任をもって保障すべき」と、菅首相に向けて訴えた。

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