2024年 4月 20日 (土)

「書いたら、その社は終わりだから」 松本復興相「脅し」に屈しなかった地元テレビ

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   岩手・宮城両県を訪れた松本龍復興相が知事に「暴言」を吐いたことが、本人の謝罪にまで発展した。発言の背景には、現状へのある不満があるというのだ。

   発覚のきっかけは、地元の東北放送が松本龍復興相の発言を「波紋を呼びそうです」と紹介したことだった。

東北放送がニュースで流したのがきっかけ

   松本氏は、2011年7月3日に就任後初めて岩手・宮城両県を訪れた。

   東北放送のニュース番組によると、宮城県庁を訪れた松本氏は、村井嘉浩知事が自分を応接室で待たせたことに腹を立てた。数分後に村井知事が笑顔で現れて握手を求めると、松本氏は、「終わってから」と言って拒否。村井知事が水産特区を要望すると、県がコンセンサスを得ないと国は何もしないと突っぱね、応接室で待たせたことをこう非難したのだ。

「お客さんが来るときは、自分が入ってからお客さんを呼べ。いいか、長幼の序が分かっている自衛隊なら、そんなことやるぞ!」

   村井知事が自衛隊出身なのを指して言ったらしい。松本氏が身を乗り出して同意を迫ると、村井知事は、年下であることを意識したのか、「はい」と答えた。しかし、顔は引きつり、苦笑いを浮かべていた。

   さらに、松本氏は、最後の言葉をオフレコとして、報道陣を見渡しながら、「書いたら、もうその社は終わりだから」と威嚇した。東北放送は、この場面さえ流しており、脅しには安易に屈しなかったわけだ。

   その後、次々に他のマスコミが報道し始め、松本氏は、岩手県庁訪問でもきわどい発言をしていたことが分かった。

   達増拓也知事が仮設住宅を要望したのに対し、「本当は仮設はあなた方の仕事だ」と指摘。さらに、「知恵を出したところは助けるが、知恵を出さないヤツは助けない」「九州の人間だから、東北の何市がどこの県とか分からない」と放言を繰り返した。

退陣しない菅首相への当てつけ?

   こうした発言の数々が報道されると、ネット上などで松本龍復興相への批判が相次いだ。松本氏は、正論を言っているのではとの擁護もあるものの、被災者のことを考えないひどい発言だとの声が多い。岩手・宮城両県にも、同様な意見が殺到しているようだ。

   宮城県の村井知事も2011年7月4日、自治体が国に相談しやすいようにしてほしいと不快感を訴え、岩手県の達増知事も被災者の心情に配慮するよう求めた。松本氏の発言は、野党から非難を受けており、民主党内からも大臣辞任論が出ているようだ。

   一方、松本氏は、この日になって釈明した。発言については、「問題なかった」としながらも、「結果として被災者の気持ちを傷つけたのは申し訳なく思う」と謝罪した。

   松本氏の発言について、事情を知る政治部関係者は、その背景をこうみる。

「松本氏は、復興を急ぐために菅直人首相の一日も早い退陣を求めていました。その後、復興相就任を3度も断っていますが、ほかにだれもいないとして、菅首相に押しつけられた形になっています。ですから、そのことでうんざりしていたのでしょう。その前に防災相に就任して以来、こもりきりになっており、復興対策に不満を持っています。それで、自分が思う通りにやりたいと開き直って、あの発言になったのだと思います」

   松本氏は、政局に明け暮れて復興対策が後手に回っている状況を批判し、「民主党も自民党も公明党も嫌いだ」と発言して物議を醸したこともある。

   6月28日の就任会見で、普段はしていないという「サングラス」をかけたのも、こうした不満からではないかという。とはいえ、だからと言って、被災者の感情を逆なでしていいわけがない。民主党は、こうした人しか大臣のなり手がいないほど人材不足なのか。

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