広島の女子高生が見た「いわきのハマ」【福島・いわき発】

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   大みそかに広島から甥が娘を連れて、いわきの母親のもとへ里帰りをした。「いわきを見て、感じてくれ」。その日の午後、父娘を車に乗せていわきのハマを案内した。いわきはハマ・マチ・ヤマに分かれる。マチもヤマも一見、震災の影響は軽微のように映る。が、ハマはそうではない。


   豊間から北のハマをめぐった。甥の娘は高校1年生。立派な大人だ。現実をしっかり受け止めてくれるだろう。カミサンが、今はほぼ更地になった津波被災地と以前の様子を語る。娘は沈黙している。長旅の疲れなのか、車の律動に合わせて睡魔に襲われたのかもしれない。


   久之浜の臨海部、大久川河口の陰磯橋のたもとに車を止めた。外に出て久之浜の状況を説明する。津波のあとの火災、ガレキの野、きな臭さ。娘は、今度は目を凝らして沈黙している。


   帰省してきたと思われるカップルが一輪の花を手にして橋の方へ向かった。別のグループは、更地の中に入っていって合掌した。


   更地の真ん中に小さなやしろが立っている(=写真)。甥がいう。「被災後に建てられたのか」「違う、あそこだけ無事だったんだ」


   いったんマチへ戻り、ラトブのカフェで一休みした。孫に近い甥の娘にいう。「高校生だから、しっかり受け止められると思って案内したんだよ」。娘はためいきともとれるようなしぐさでうなずいた。


   仕事でもいい、観光でもいい。いわきに来たら、ハマまで足を延ばしてもらいたい。いや、いわきのハマを見るために来てほしい。いわきを見て、いわきを感じてほしい。年末年始の休みを終えた今、痛切にそう思う。

(タカじい)



タカじい
「出身は阿武隈高地、入身はいわき市」と思い定めているジャーナリスト。 ケツメイシの「ドライブ」と焼酎の「田苑」を愛し、江戸時代後期の俳諧研究と地ネギ(三春ネギ)のルーツ調べが趣味の団塊男です。週末には夏井川渓谷で家庭菜園と山菜・キノコ採りを楽しんでいます。
■ブログ http://iwakiland.blogspot.com/

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