2024年 4月 26日 (金)

ねつ造されたツイート、2ちゃんで晒され炎上 「証明が難しい」ネットの怖さ

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   「ねつ造されたツイッターの発言を2ちゃんねるに晒され、炎上した」――こんな信じがたい事が起こり、ネットで話題になっている。

   問題の背景には2ちゃんねらーの根強い「アフィリエイト嫌い」があった。

「まとめサイト擁護」にねらーの怒り心頭

   2012年1月8日、2ちゃんねるのニュース速報板に「@quolc Pixivバイトの東大生すずきりょうへい『2ちゃんは負け犬の遠吠え』←VIPPER速報を擁護」というタイトルのスレッド(VIPPER速報:2ちゃんねるの書き込みをまとめて紹介するサイトの名前)が立った。

   @quolc氏というツイッターユーザーが、「pixiv元社員がアフィリエイトブログを管理してたとかで騒いでるけど、それならが自分自身で儲けられるコンテンツを作ればいいじゃん。今の2ちゃんねる見てると負け犬の遠吠えって感じ。」(原文ママ)というツイートをしている、と書き込まれ、URLも一緒に掲載された。

   VIPPER速報はこのところ、「転載禁止」と明記された書き込みをまとめて引用しているとして批判されており、2ちゃんねらーは管理人がウェブサービス「pixiv」元社員とみていることからpixivへの風当たりも強くなっている最中だった。(1月13日16時41分追記)なお、pixivはVIPPER速報の管理人について「元社員ではない」と話している。

   スレッドでは早速URLにアクセスした人が、元になるツイートがすでに存在していないことに気付いた。「消すの早すぎ」「自分の考えなんだし消すこたねえと思うけど」と書き込んだ。さらに追い討ちをかけるように、「東大行っててこの程度の脳なんだ」「あーあ、マトモな所就職出来ねぇなコイツ」など人格を否定するような書き込みが並んだ。

   スレッドを立てた人(スレ主)はツイート主に対し、自身のツイッターアカウントから「おーい鈴木、スレたてといたぞ」「せっかくだからスレに遊びにこいよ」などと煽るツイートを送った。

   2ちゃんねらーの一部は、書き込みを転載してアフィリエイトで儲ける仕組みの「2ちゃんねるまとめサイト」を快く思っていない。そのせいか、@quolc氏のまとめサイトを擁護するようなツイートへの怒りがあふれた。

ねつ造バレ、スレ主は逃亡

   これに対しユーザー@quolc氏から意外な反応があった。「post」(投稿)をしていないというのだ。

   「ええと、2ちゃんねるで僕が行ったと記述されているpost(略)を僕が行っていないという証明(に多分なると思います)を一応書いておこうと思います」と前置きし、ツイートには全世界のユーザーが投稿した順番にIDが付けられるということを利用して「当該スレッドに記述されているpostのidは155920828670816117になっています。重要なのは、僕はidが155920828670816256のpostを行っているということです」「この二つのidの差は139ですが、一秒間にtwitterに投稿されるpostの数は、少なくとも1000はあると思われます。(先日のバルスTLで数万だったそうですね)この短い間隔でそのように長いpostを行う事は無理です」とツイートした。

   つまり、スレッドの内容が事実とすると、@quolc氏は転載されたツイートをした後、1秒と経たない間にほかのツイートをしたと推測される。しかしそれは不可能だ、ということだ。

   これらのツイートはスレッドにも転載され、「魚拓もなく妥当な弁解をスルーするのはさすがに可哀想」「2000人いるフォロワーが誰一人ツイートの存在を指摘してないし、どう考えてもねつ造」「スレ削除依頼しなきゃスレ立てたお前も責任とわれるぞ」などという書き込みが並ぶようになる。スレ主は1月8日22時40分を最後にスレッドから姿を消してしまった。

   @quolc氏が槍玉にあげられた理由は不明だが、本人はブログで「僕がpixivでアルバイトをしているということが原因ではないかと思いますが、もしかしたら私怨によるものかもしれません」と分析している。

   今回は適切な処置によって何とか無実を証明できたという形だが、スレッドでは当初誰もが転載の内容を信じ、批判や中傷の書き込みをしていたことから簡単にツイートはねつ造でき、それがネタとなって2ちゃんねるなどで炎上してしまう危険性があることが明るみになった。

   一連の対応を見守ったツイッターユーザーは、

「怖いけど明日は我が身...」「普段からネット使う人はこれぐらいのネットリテラシー持たないと戦えないな」「陥れる側にもう少し知恵があったら、悪魔の証明を強いられるというのはキツイなあ」

などとツイートしており、新たに直面したネット社会の恐怖に頭を悩ませているようだ。

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