九州の女子大生が感じた言葉の重み 「持ち帰って語り継ぐ」【岩手・花巻】

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当時の写真を示しながら、体験を話す里舘さん。右が牧野さん、左が北村さん=花巻市南城で
当時の写真を示しながら、体験を話す里舘さん。右が牧野さん、左が北村さん
=花巻市南城で
(ゆいっこ花巻;増子義久)

   「えっ、おばさんも嵐(あらし)のファンなの!?」「そう、とくに相葉(雅紀)君ね。だって、めんこいんだもの。だから一人暮らしでも寂しくないの」 ―。大震災の辛い体験を聞いていた雰囲気がパッと明るくなった。「震災支援ネット北海道」と「いわてゆいっこ花巻」がコーディネートした筑紫女学園大学(福岡県太宰府市)の学生20人が22日、花巻市内に住んでいる一人暮らしの被災者など10人を居宅訪問した。「3・11を風化させないために…」と大学側が企画したもので、23日は大槌町の仮設団地で炊き出しの支援をする。

 

   「これ、福岡名物の筑前煮です。どうぞ召し上がってください」。2年生の北村いぶきさん(20)と牧野彩永さん(20)はこの日早起きして用意した手作りの弁当を持って、里舘晶子さん(69)のアパートを訪ね た。大槌町の出身でご主人を13年前に亡くし、震災の時は一人住まいだった。「あの時のことねえ」と言って、里舘さんは記録写真を特集した雑誌や当時のテレビの映像を見せてくれた。

 

   「大きな手術をした5日後のことで、体はコルセットをしたまま。大津波だという叫び声で裏山の神社に逃げた。体の自由がきかないので木の根っこにつかまり、四つん這い。後ろを振り向くと、隣の家が津波と一緒に追いかけてきた。若い人に両腕を抱えられてやっ と助かった。お茶のみ友達2人が帰らぬ人になった。旦那さんにすがっていた2人の手を津波が引き離してしまったの。犠牲になった知り合いの名前を紙に書き 写す毎日。私の集落だけで50人以上もの人が津波と共に消えてしまったのよ」


   身じろぎしないで聞き入った2人の目に涙が…。「あら、ごめんね。こう見えても私、嵐の大ファンなのよ」と里舘さん。「えっ、私たちもよ」と話題は急に嵐談義に。収集した嵐のビデオを毎日見ているという里舘さんが笑顔で言った。「不思議なことってあるのねえ。2階を残しただけで家は全壊。でも、1階に置いてあった位牌だけは近くで見つかったの。きっと、父ちゃんが守ってくれたんではないかと。それに今は相葉君がいつも一緒にいてくれるから…」


   この日の居宅訪問は2人1組。サポート役として、ゆいっこ花巻のスタッフが付き添った。約2時間後、学生たちが次々に戻ってきた。みんな涙ながらに短い訪問の感想を語り合った。


   「テレビの映像だけ見ていると、個というより全体のイメージが先行した。でも、直接お話を聞いて言葉の重みを改めて感じた。その一人ひとりの悲しみが2万人分 もあるのだと思うと…」、「震災当日は雪が舞う寒さだった。避難所でみんなで抱き合って過ごした。人の体温ってこんなに暖かいもんかとその時、初めて感じた。被災者の方がこう話してくれた瞬間、大震災の光景が急に目の前に迫ってきた」「遠い九州の地では震災の記憶が風化しつつある。この日の体験を持ち帰って、語り継いでいきたい」…。

 

   引率の宇治和貴講師がこう締めくくった。「宮沢賢治が『寄り添う』ことの大切さを説いているが、現地に来て見てそれを実感した。今後も大学として支援を継続していくように取り組んでいきたい」

時に涙を流しながら、居宅訪問の感想を述べ合う学生たち=花巻市一日市のゆいっこ事務所で
時に涙を流しながら、居宅訪問の感想を述べ合う学生たち
=花巻市一日市のゆいっこ事務所で


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