海外留学の経験は就職に有利か 「採用企業」増えるきざしも

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   近年、日本企業の中には海外市場を意識して外国人の採用を増やすと宣言しているケースが多い。グローバル化を進めるためだが、この風潮は日本人で海外留学を経験した人材にとっても「追い風」になっているだろうか。

   留学をしたという事実だけでは決定力不足だ。どんな目的で外国に渡り、何を身につけてきたかという「質」が問われるという。

内向きにならざるを得ない現実

留学での苦労が就活で評価されるか(写真はイメージ)
留学での苦労が就活で評価されるか(写真はイメージ)

   大手企業が外国人の採用にシフトしている。カジュアル衣料「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは、アジアでの出店を加速するのに伴って採用人数の8割にあたる1200人を外国人とする計画だ。パナソニックや楽天も同様に、外国人の人材確保を進めている。

   一方、海外留学を経験した日本人学生の採用については、あまり伝わってこない。実は海外留学の件数はここ数年、減少が続いている。文部科学省の2012年1月の集計によると、2004年に8万2945人とピークに達して以降は下り坂で、直近の2009年は5万9923人にまで落ち込んでいる。

   理由はいくつも絡み合っているようだが、一橋大学国際教育センターの太田浩教授はそのひとつに就職を挙げる。厳しい就職状況が続くなか、「学生にとって、3年生の秋から4年生にかけて長期の就職活動となれば、『留学するぐらいなら公務員試験の勉強をした方がいい』と考えてしまいます」と指摘する。内向きにならざるを得ないのだ。加えて、豊かな日本社会に満足してしまい、海外に行って苦労してでも何かを身につけようという気にならないのでは、とも太田教授は考える。

   だが最近になって、海外留学組にとって就活上での明るいきざしが見え始めてきた。就職情報を提供するディスコは2012年3月14日、2013年3月卒業予定者の採用活動に関する企業調査を発表した。この中で、日本人の留学経験者を「採用する」と答えた企業が全体の22.8%に上り、前年実績より10ポイント増加した。この傾向は、社員1000人以上の大規模な企業に顕著だ。日本の大学よりもカリキュラムの厳しい海外の大学で学び、習得した実績を評価するのだという。

   ディスコの広報担当者に聞くと、「企業は国籍にかかわらず、グローバル人材に注目しています」と説明する。外国人に限らず、目的を明確にして海外で経験を積み、語学力や学力を身につけた日本人学生ならば、むしろ企業としては積極的に採用したいようだ。

「留学経験者は給与2倍」を提示した企業も

   学生の就職事情に詳しいジャーナリストの石渡嶺司氏はJ-CASTニュースの取材に対して、留学を経験した日本人学生は「就職に有利」と話す。内定がなかなか取れない今の時代に、あえて休学してまで外国で学ぼうとする「チャレンジ精神」を評価する企業は少なくないというのだ。

   ただし石渡氏は、「留学の『質』が問われます」と付け加える。短期の「体験留学」や、渡航先でも日本人とばかり交流していたようでは、企業へのアピール度は低い。どこへ行き、何を専攻したかは問題ではないが、異文化の中で「さまざまな苦労を乗り越えたかどうか、何かひとつのテーマを徹底して勉強したか、が見られるでしょう」。

   米国の大学などは、授業中に同級生と英語で討論する機会が多く、宿題も驚くほど大量に出される。寮生活ともなれば、周囲との英語でのコミュニケーションは欠かせない。これらをクリアして自己の目標を達成できれば、会社としても「世界を舞台に活躍できる見込みあり」と判断する可能性が高いようだ。

   自動車部品メーカーのユーシンは、2013年4月入社の学生の中で留学を経験し、ビジネスレベルでの外国語力をもつ人を対象に、給与を1.5~2倍引き上げる制度を導入する。日本経団連は8月に、海外の大学や大学院での課程を修めた学生に対する就職説明会を開催する予定だ。

   石渡氏も「例えば日本経団連が、『留学経験者は就職活動でしかるべき処置を図るよう考慮する』といったメッセージを発信すれば、学生も『留学は就職にマイナスにならない』と理解するのではないか」と提案する。企業がグローバル化を強力に推進していく中で、社会のサポート体制も徐々に整っていくかもしれない。

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