2024年 4月 20日 (土)

野田首相にオスプレイで自民が援軍 石破元防衛相「どれだけ地域の安全が保たれることか」

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   米軍岩国基地(山口県岩国市)への陸揚げが終わった海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイをめぐり、安全性の面から配備に反対する声が高まっている。与党内からも、「決められたプロセス通りに進めるのではなく、国民が大きな納得感を得られるように」(7月18日、前原誠司政調会長)とオスプレイ配備の再検討を求める声が上がっており、森本敏防衛相の「後ろから鉄砲を撃つ」形となっている。

   そんな中、オスプレイ配備賛成の論陣を張っているのが、野党である自民党の中でも、防衛通で知られる石破茂元防衛相だ。その理由はどこにあるのか。

事故率では老朽化したCH-46の方が安全に見える

   オスプレイをめぐっては過去に事故が頻発しており、開発段階を含めると36人が死亡している。このことから、「ウィドウメーカー」(未亡人製造器)という有り難くない名称までついてしまった。

   「オスプレイが危ない」とされる根拠のひとつが、10万飛行時間当たりの「重大事故」の件数を表す「事故率」だ。海兵隊全体の事故率は2.45で、オスプレイの事故率は1.93、普天間飛行場に配備されているCH46ヘリコプターは1.11。一見、CH-46の方がオスプレイよりも安全に見える。

   ただし、老朽化したCH-46は続々と退役しており、普天間飛行場に配備されていた機体についても2012年6月下旬から解体作業が始まっている。このため、「そもそも稼働率が下がっているため、事故率も低く見える。ベトナム戦争の頃は、今よりもはるかに高かった」という指摘がある。

   石破氏も、7月23日に出演したTBS系「ひるおび!」で、この指摘に賛同した上で、

「オスプレイは今までのCH-46のスピード2倍、詰める量3倍、飛べる距離5~6倍と言われている。そうすると、これが入ってくることによって、どれだけこの地域の安全が保たれることか。このあたり(沖縄)は尖閣の問題もあった。北朝鮮の情勢も、どうなるか分からない」

と、オスプレイの必要性を強調。その上で、

「この地域の平和と安全を守るために、米国は命をかけてやっている。その点で、『今のCH-46の方が事故率が低いから、このまま使えばいい』という発想には、絶対にならない」

と言い切った。

「オスプレイと原発の構図は実に酷似」

   7月20日付けのブログには、さらに詳しく説明が載っている。

「ここまで事態が複雑になってしまっては、これが解決策だ、という明快なものを私も持ち合わせていません」

としながらも、

「何の努力もせず、何の犠牲も払わない国が、最終的にその恩恵を享受し、配備にあたっては反対運動を繰り返す様は米国にとってはとても理解しがたいものなのでしょう。ましてやそれが同盟国ともなれば尚更のことです」

などと反対運動を批判。さらに、

「オスプレイと原発の構図は実に酷似していて、『人間の作る技術である以上、絶対の安全はあり得ない。リスクは常に存在し、いかにそれを極小化し、万一事故が起こった時にどう被害を最小化するかに全力を尽くすべきだ』という考え方がなかなか理解されにくく、いつしか実はあり得ない『絶対神話』が作り出され、かえって悲惨で過酷な結果を招くのです」

とリスクを踏まえた上で、米国任せではなく日本政府として安全性を確認し、責任を負うことを表明するように求めている。

   オスプレイをめぐっては、野田佳彦首相が国会で

「安全確認がされない限り、飛行をさせない」

と答弁を繰り返しており、7月26日には日米合同委員会を開催して安全確保策を協議する予定だ。

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