2024年 4月 24日 (水)

「前に進むか、後ろに戻るのか」 野田首相が対自民「戦闘モード」に

   衆議院の解散を受け、野田佳彦首相は2012年11月16日夕方首相官邸で記者会見を開いた。総選挙(12月4日告示、16日投開票)を1か月後に控え、論点を5つの政策分野で示し、「前に進むのか、後ろに戻るのか」と繰り返し訴えた。

   自民党を名指しして「従来のように公共事業をばらまく」「旧来のエネルギー政策を惰性で行う」などと攻撃を繰り返した。選挙演説は、野田首相の「得意科目」。早速「戦闘モード」入りした形だ。

5分野で自民との違いを出す

解散後の記者会見に臨む野田佳彦首相。声を張り上げて自民党を批判した
解散後の記者会見に臨む野田佳彦首相。声を張り上げて自民党を批判した

   野田首相は冒頭、解散の理由について

「予算が国会で通っても、その財源の裏付けがなく執行できない、あるいは『身を切る改革』は誰もが主張していても、国会議員の定数の1割の削減もままならない。そうした『決められない政治』が、政局を理由に続いてきた。その悪弊を、解散をすることで断ち切りたいという思いもあった」

と述べた上で、自ら選挙の争点について

「かつて、郵政選挙のように、ワンポイントのイシュー(争点)で選挙を戦ったこともあった。今回の総選挙の意義は、『2013年以降の日本のかじ取りを、どの方向感で進めていくのか』ということ。『前に進めるのか、政権交代の前に時計の針を戻して、古い政治に戻るのか』『前へ進むか、後ろに戻るか』これが問われる選挙だと思う」

と言及した。

   具体的には、(1)社会保障(2)経済政策(3)エネルギー政策(4)外交・安全保障(5)政治改革の5つの分野で違いを出したい考えで、それぞれの分野で自民党への批判を展開した。

安倍総裁を念頭に批判

   例えば経済政策では、自民党が掲げる国土強靱計画をやり玉に、

「積算根拠もなく、総額ありきで、従来のように公共事業をばらまく。そういう政策で日本が再生するとは思えない」

と切り捨てた。エネルギー政策についても、民主党政権が2030年代に原発ゼロを目指すことを引き合いに出しながら、自民党については

「大きな方向性は、10年間かけて決めると言っている。10年も立ち止まっているならば、旧来のエネルギー政策を惰性で行う。それしかないじゃありませんか!」

と、声を張り上げて批判した。

   また、名指しこそ避けたものの、

「強いことを言えばいい、強い言葉で外交・安全保障を語る。そういう風潮が残念ながら強まってきたように思えてならない。極論の先には真の解決策はない。健全なナショナリズムは必要。でも、極端に走れば、それは排外主義につながる。そうした雰囲気に影響される外交・安全保障政策では日本は危ういと私は思う」
「世襲政治家が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する、そんな政治に戻すことはあってはならない」

といった、自民党の安倍晋三総裁を念頭に置いたとみられる発言も目立った。

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