2024年 4月 19日 (金)

「無料通話アプリ」今やブーム スマホ持つ女高生8割以上が利用

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   スマートフォン(スマホ)の普及と共に利用者が急増しているのが、無料通話・メッセージアプリだ。NHN Japanの「LINE」は、日経MJ紙の2012年「ヒット商品番付」で西の大関に選ばれ、一種のブームと言ってもよい。

   調査では、スマホを持つ女子高生の8割以上が無料通話アプリを楽しんでいるという。一方で、アプリを使っている友人同士で「仲間はずれ」にするような行為も報告されており、子どもの利用には課題もある。

少しでも出費を抑えたい中高生に「無料」は大きい

無料通話アプリも種類が増えてきた
無料通話アプリも種類が増えてきた

   アスキー・メディアワークスは、携帯電話向けホームページ無料作成サービス「魔法のiらんど」を利用する女子中高生を対象にスマホやアプリの利用状況を調査し、その結果を2012年12月25日に発表した。

   特に、スマホ所有者が主に使っているアプリは興味深い。最も利用者が多かったのが中高生ともに無料通話アプリで、女子中学生は68%、女子高生は84%に達した。

   これに続くのが、女子中学生は写真・動画加工と音楽アプリでいずれも61.9%、女子高生も写真・動画加工アプリが58.5%だ。フェイスブックやmixiといった交流サイト(SNS)は、女子中学生が34.2%にとどまり、女子高生でも50.5%と無料通話アプリには遠く及ばない。

   人気の火付け役となったLINEは、国内利用者が2012年11月末までに3600万人まで拡大している。NHN Japanの森川亮社長は、日経ビジネスオンライン12月20日付のインタビュー記事で、「主たるユーザー層は若い女性か」との問いに「実際には会員登録の際に年齢や性別のデータはとっていません」としつつも、「我々の調査では若い女性が多いという結果が出ています」と答えた。

   女子中高生に支持される理由について、調査を実施した角川アスキー総合研究所の遠藤諭所長はJ-CASTニュースの取材に、「無料なのが大きい」と話す。さほど収入のない中高生にとっては、月々のスマホ利用料の支払いをやり繰りするうえで少しでも出費を抑えられるからだ。サービスの分かりやすさも、若年層に受け入れられやすい要素だという。同じ携帯電話会社同士なら通話やメールが無料というサービスはあるが、アプリの場合はどの携帯電話会社と契約していても構わない。初期設定も氏名やメールアドレスといった情報を入力する必要がなく、スマホの電話番号だけで登録が完了する手軽さがある。

スマホの若者需要は旺盛、10代が最もiPhoneを欲しがる

   アプリの利用者増を占ううえで、遠藤氏はスマホの需要が今も若者の間で旺盛な点に注目する。アスキー総研の別の調査によると、米アップルの「アイフォーン(iPhone)」を最も欲しがっているのは10代だという。スマホ市場は2011年、12年と拡大を続けており、2013年も「今年並みには成長するでしょう」と予測。同時に、無料通話アプリも利用者数を順調に伸ばすと考える。

   私立の中高一貫女子校教諭に、生徒たちの無料通話アプリの利用実態について取材した。「当校は携帯電話を学校に持ち込むのは禁止ですが、生徒たちからは自宅などでLINEを使っている様子を時々耳にします」と話す。受け持っている中学生のなかでスマホ所有者は一部だが、その生徒たちが友だち同士の交流ツールとして使っている様子だというのだ。

   遠藤氏も無料通話アプリを使う若年層は、「内輪のコミュニケーションニーズが高い」と教諭の話を裏付ける。

   急速な普及と共に、使用上の課題も浮上している。日本経済新聞電子版は12月26日、無料通話アプリの使い方によって子どもたちの人間関係に悪影響を及ぼした事例を紹介した。ある男子中学生は、友だち同士でチャットを楽しむためにつくったグループから突然強制退会させられたという。「気に食わない」という相手を強制的に退会させる機能があるためだ。ほかにも、本人が好まない写真を投稿されて不登校になった話もあった。

   LINEに続き、ディー・エヌ・エー(DeNA)が2012年10月23日に「comm」の配信を開始。韓国で人気のアプリ「カカオトーク」の運営会社は、10月にヤフーとの業務提携を発表して日本での成長を目指す。無料通話アプリブームはしばらく続きそうだ。

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